北村匠海、初監督映画に手応え 脚本執筆は「ライフワークにしたい」
北村匠海が27日、都内で行われた初監督映画『世界征服やめた』のワールドプレミア上映イベントに出席。脚本も担当した北村は手ごたえを感じているようで、脚本執筆を「ライフワークにしたい」と声を弾ませた。この日は、主演の萩原利久、共演の藤堂日向も来場した。
『世界征服やめた』は、北村がポエトリーラッパー不可思議/wonderboyの楽曲「世界征服やめた」に強く影響を受け、同曲からインスパイアされて自ら脚本を書き下ろし、監督したショートフィルム。内向的な社会人・彼方(萩原)が、ひょうひょうとして白黒はっきりさせたがる同僚・星野(藤堂)の選んだ決断に、人生を大きく揺れ動かされる。
北村にとって人生初の監督作品のイベントだが、役者として人生初の舞台あいさつに挑んでいる藤堂がド緊張のため、北村は「もっと緊張するものだと思ったんですけど、すべてが初めての彼がいるので緊張する間もなく、彼を慰めてここに来ました」と笑顔であいさつ。
企画は2021年3月にスタート。北村は「プロットを書くのは好きですが、右も左もわからないので、いざ書くと難しくて、役者の立場に立って、しゃべりながら書いていました。楽しい作業ではありましたが、難産というか、脚本は難しいなと思いました」と過程を打ち明ける。楽曲との出会いは高校生の時で、「楽曲からいただいたものを形にしないといけないと漠然と思っていたので、勝手に責任感を背負い、常に逃げちゃダメと思いながら(脚本に)向き合い続けました」と振り返った。
とはいえ、当初は「5分の脚本でした」と明かし、会場をざわつかせる北村。実は短編として製作するつもりが、スタッフから「長編にしてみないか?」と提案され、1時間半の脚本を作るものの「(映画製作の)裏側を知らず、どれくらいの期間と予算がかかるかわからなくて、(スタッフに)読んでもらったら『これは無理』となった」という。そこからすべてを無視して作ったものが30分の脚本で、撮影や編集で51分になったため、「偶然の産物」と表現した。
苦労を重ねて誕生した本作。北村は「自主映画みたいな感じで作ったので、手伝ってくれる過去に映画で出会ったスタッフたちがいなかったら、ここまでいい現場は作れなかった。全部が“出会い”だから、これからも出会いを大事にしたい」と心を込める。また、「実現するかわからないけど、自分の蓄えとして(脚本は)書いています。ライフワークとして続けていきたい」と声を弾ませる。一方で「助監督をやりたい。エキストラの皆さんに芝居をつけるのに特化した仕事をしたい」と目を輝かせる場面もあった。(錦怜那)
映画『世界征服やめた』は2025年2月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開