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八木勇征がラブコメ映画で見せた新たな魅力 ラブストーリーの名手が明かす「予想を超えた芝居」

『矢野くんの普通の日々』より八木勇征演じる矢野くん
『矢野くんの普通の日々』より八木勇征演じる矢野くん - (c) 2024 映画「矢野くんの普通の日々」製作委員会 (c) 田村結衣/講談社

 田村結衣の人気ラブコメ漫画を実写化する映画『矢野くんの普通の日々』(公開中)で主演を務める八木勇征。ダンス&ボーカルグループ、FANTASTICSのボーカルとして活躍する一方で、俳優としては映画化もされたドラマ「美しい彼」(2021・2023)の学園の“キング”清居奏がはまり役となりブレイク。『矢野くんの普通の日々』は、八木にとって初の映画単独主演作となる。本作のメガホンをとった新城毅彦監督が、八木が見せた新たな魅力について語った。

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 八木にとって初の単独主演映画とあって、新城監督の八木への期待も大きく「人気グループにいて、当然かっこいいじゃないですか。そんな彼の「かわいらしさ」とか「親しみやすさ」のような部分を引き出せたのはすごく嬉しかったですね」と振り返る。

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  八木が演じるのは、なぜか毎日ケガまみれになってしまう超不運体質な男子高生・矢野くん。隣の席のクラス委員長・吉田さん(池端杏慈)は、危なっかしい彼のことが心配でたまらず、ケガの手当てなど親身になるうちにいつしか彼が特別な存在に。やがて、学園一のモテ男・羽柴(中村海人)をはじめ羽柴に恋心を抱く泉(白宮みずほ)、吉田さんの親友・メイ(新沼凛空)らを巻き込んで、矢野くんが夢見る普通の高校生活をかなえるべく一丸となっていく。

矢野くん(八木)と隣の席の吉田さん(池端杏慈)

 ラブストーリーの名手として知られる新城毅彦監督。近年は『ひるなかの流星』(2019)、『午前0時、キスしに来てよ』(2019)、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(2023)など少女コミックを原作にした学園モノを多く手掛けているが、本作の主人公・矢野くんにはこれまで登場したキャラクターと一線を画す魅力があるという。

 「矢野くんは、例えば『午前0時、キスしに来てよ』で片寄涼太くんが演じたスーパースターとか、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』で高橋恭平くんが演じた学園一の人気者、いわゆる王道の王子様ではないですよね。矢野くんの魅力は、純粋さと肩の力の抜けた雰囲気ですかね。見た目はかっこいいのに不運なところがあって、それをコンプレックスに思う必要もないのに気にして、人と距離をとっている。だからといって変にひねくれることもなく、相手のことを純粋に考えられる人。優しさ、思いやりがあって。不運なところもかわいらしくて“一家に一台”的な癒やしの力がある」

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 矢野くんは常に右目に眼帯をしていてケガが絶えないためマイナスオーラをまとっているが、演じる八木自身はキラキラとしたオーラを放っており、そんなかけ離れたギャップも見ものだが、新城監督は八木とのキャラクターづくりをこう振り返る。

 「今回は八木くん自身も原作を読んで研究してきてくれて。ラブコメ感を出し過ぎるとあざとくなるし、そのさじ加減を探ってくれていた気がします。前半と後半のトーンがかなり異なるので、前半は矢野くんの日常を楽しんで見てもらって、キャラクターを愛してもらう。それがシリアスな後半につながればという話はしました。そうしたメリハリをうまくつけてくれたように思います。クライマックスに差し掛かっていくにつれて矢野くんも成長していくし、 そうした中で吉田さんも周りのみんなもちゃんと成長していく。彼らが矢野くんを温かく見守るように、見てくださる方にも『頑張れ!』という思いになってもらえたらいいなと」

物語が進むにつれて切ない表情に……

 八木が「研究した」と特に感じられたのが、声。八木自身「ツートーンくらい上げた」と話しているが、これは八木自身の試みだという。

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 「具体的にそうしてほしいと話した覚えはなくて、おそらく八木くんが試行錯誤しながら落としどころを探ったんだと思います。彼はアーティストとして歌っているせいか、耳がいいのかなと思いました。声の質感やリズム感がすぐれている印象で。それと、スイッチの入り方。撮影が終わってアフレコの場で久しぶりに会ったとき、普通に入ってくると当然かっこいい八木くんなんだけど、撮影から結構時間が空いていたにもかかわらず、ブースに入ってアフレコを始めた途端、矢野くんになるんですよね」

 新城監督が「予想を超える芝居」と感じたのが、矢野くんが内に秘めた感情を吉田さんに吐露するシーン。「階段でのシーンですが、あそこの八木くんは……思っていた以上の芝居でした。ネタバレになるので詳細は伏せますが、他人と距離を取っていた矢野くんが初めて感情を吐露する。矢野くんが吐露できるようになったということ自体も成長だし、吉田さんとの会話で発信していることが、彼が一人で抱えてきたことの大きさを想像させ、切ないシーンに仕上がった。切ないシーンにしなければいけないと思っていたけれど、あそこまで感情を上げてもらえるとは思っていなくて、シーンを一段上に上げてくれたように思います」

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 本作を通じてあらためて感じた八木の魅力について「振幅が広いなと。ポテンシャルっていうのかな」と振り返る新城監督。「歌がうまくて踊れて……とかっこいいところに目が行きがちだと思うんですけど、この作品までキャリアを重ねるなかで、確実に表現力が培われているわけで。取り組み方、理解力。それにとても真面目ですよね。役に真摯に向き合っているところに伸びしろを感じるし、まだまだ新しい面が見られると思う。次にご一緒する時はまた新たなキャラクター、違うテイストの作品で違う八木くんと会いたいと思わせてくれる役者さんです」と八木のさらなる飛躍に期待を寄せている。

 なお、八木自身が「まるで殺陣のよう」と語る矢野くんのアクシデントのシーンは、「痛々しく見え過ぎてもいけない、なおかつクスリとさせるような画を目指した」といい、「それが映画全体のトーンに影響した」とも語っていた。(取材・文:編集部 石井百合子)

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