香川照之、3年ぶりドラマ出演で1人6役 異色のサイコ・サスペンス「災」2025年春放送
俳優の香川照之が、2025年春にWOWOWで放送・配信される「連続ドラマW 災」で主演を務めることが明らかになった。香川のドラマ出演は、2022年に放送された「六本木クラス」(テレビ朝日系)以来3年ぶり。役柄の詳細やストーリー設定などが謎に包まれている異色のサイコ・サスペンスで、6人の異なる人間に扮する。
完全オリジナルの本作は 、葛藤を抱えながら現代を生きる罪なき6人の登場人物のもとに、香川演じる“男”が現れ、ある“災い”が無慈悲に降りかかるさまを描く。“男”は姿、口調、顔つき、性格、所作を変え、まったくの別人となって6人の登場人物たちの前に現れる。“男”は何者で、“災い”とは何なのか。多くの謎が鑑賞者の心理を揺さぶり、男の存在がこれまでにない恐怖をもたらす。
監督・脚本を務めるのは、監督集団「5月」(ごがつ)の関友太郎と平瀬謙太朗。二人は、東京藝術大学大学院の佐藤雅彦研究室から生まれた映画制作プロジェクトとして活動を開始。初作品となる短編映画『八芳園』が第67回カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に正式招待され、その後、黒木華主演の短編映画『どちらを』で再びカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に招かれた。また、主演の香川とタッグを組んで製作した初の長編映画『宮松と山下』では、第70回サン・セバスティアン国際映画祭 New Directors 部門に正式招待されている。
主演の香川、関監督、平瀬監督のコメント全文は以下の通り。(藤田良太)
香川照之(主演)
『宮松と山下』という奇妙な本編映画で出会った「5月組」というユニットの奇妙な3人組の監督のうち、若手の2人がタッグを組んでこれまた奇妙な話を思いつき、私に6人の様々な男を演じさせて一つのおどろおどろしい物語を紡いでいくのだという。脚本を一読して思うことは、過去の男である私にはまさにふさわしい仄暗い陰と濃密な湿度がそこにじっとりと練り込まれ、どの役にも『この人間の裏に一体どんな過去が潜んでいるのか……』と思わず想像してしまわずにはいられない行間が随所に潜んでいる。WOWOWで放映されるに実に願ったり叶ったりのドラマである。期待されたい。
関友太郎(監督・脚本・編集)
現場で目の当たりにした6人の香川さんの姿が、撮影を終えた後もずっと脳裏に焼きついている。香川さんが持つ無数の引き出しの中から現れた別人格の男たちは皆、慈愛に満ちていながら怪しげで、時に鬼気迫る表情を宿していた。今は、その6人の男たちを1カットずつ、大切につないで編集している。奇天烈な物語であるため、どんな形のドラマとして完成するのかまだ判然としない。けれど、香川さん演じるこの主人公が他に類を見ない恐ろしいキャラクターになりそうだ、ということだけは確かな手応えを得ている。ぜひ、放送を楽しみにお待ちください。
平瀬謙太朗(監督・脚本・編集)
意味もなく、前触れもなく、慈悲もなく、悪意すらなく我々の人生を壊すものを、人は「災い」と呼びました。それは、何もかもを一変させてしまう程の大きな力でありながら、いざ相対するまで、一体、どこに潜んでいるのか感じ取ることすらできません。実は、常に私たちのすぐ近くに在るにも関わらずです。この目に見えぬ恐怖を“今までにない形”で表現しようと思い、6人の人生と6つの災いを映像に収めました。期待してお待ちください。そこには、新しい恐怖、俳優・香川照之が映っていました。