「ウルトラマンブレーザー」田口清隆監督、新作短編は全日本プロレス全面協力!『大怪獣ブゴン』と地続きの世界観
特撮ドラマ「ウルトラマンブレーザー」のメイン監督などで知られる田口清隆監督と、全日本プロレスの人気レスラー・安齊勇馬と斉藤ブラザーズ(斉藤ジュン、斉藤レイ)がタッグを組む新作短編映画の製作が決定し、大分県別府市で17日、製作発表記者会見が行われた。会見には「ウルトラマンオーブ」のジャグラスジャグラー役などで知られる俳優の青柳尊哉も出席し、本プロジェクトにかける思いを語った。
本作は、映画関係者と別府がタッグを組み、地元・別府オールロケをモットーとした別府短編映画制作プロジェクトの中の一本として製作される。同プロジェクトが掲げる「」30分以内の短編」「撮影はオール別府ロケ」「別府市民と力を合わせて作品作り」をベースに、田口監督と青柳がタッグを組んだ『大怪獣ブゴン』の世界線につながる新たな物語が、全日本プロレスの全面協力によって誕生する。
物語は、全日本プロレスの選手たちが別府にやってきたところからはじまる。若手の安齊選手は、斉藤ブラザーズとともに別府の町に繰り出していくが、別府タワーをふと見上げると、巨大な隕石が降ってきて斉藤ブラザーズに奇妙な物体が寄生する。翌日、会見を行った斉藤ブラザーズは突如凶暴化し、暴れ始めるのだが……という物語だ。
全日本プロレスの人気レスラーたちの存在感は迫力満点。まずは、田口監督が「ふたたび別府の街で暴れたいと思います」と意気込み、兄の斉藤ジュンが「映画に出ることが夢だったので、こういった形で出ることができて最高にうれしく思います。ただひとつ、俺たち斉藤ブラザーズを映画に出させて大丈夫か? どうなっても知らないぞ」とコメント。さらに、弟の斉藤レイも「今回、こういったお仕事のお話をいただき、非常に光栄に思っています。映画が大好きな斉藤ブラザーズ、やるからには精いっぱい、全身全霊で。暴れまくります」と宣言した。
そして安齊が「僕らは普段プロレスしかしていないですが、このような機会を楽しみにしています。とにかく現場を楽しくやっていきたいと思います」と続けると、青柳が「前作に引き続き映画をつくることができてしあわせに思っています。そして今年も街を破壊したいと思います」と笑顔で付け加えた。
撮影は前日から行われていたとのことで、「昨日撮影したのは映画の冒頭部分。前作と地続きの世界観で。別府の街を守るために安齊さんが駆けずりまわるという内容になります」と説明する田口監督。実際に三人のプロレスラーを演出してみて、「やはりマイクパフォーマンスや試合などをいろいろやってきた方たちなので。お芝居もそうですし、リアクションの仕方なども非常に面白くて。スタッフ全員笑いをこらえるのが大変でした」と述懐。
そんな撮影を斉藤レイが「普段やっていることと全然違って。はじめての体験だったので。新鮮な気持ちでやらせてもらった」と振り返ると、斉藤ジュンも「とにかく楽しく芝居ができて。最高の一日だった」と続け、さらに安齊が「もともとの性格が心配性なので。映画というのは同じシーンを角度を変えて何回も撮るんだということも知らなくて。今のは駄目だったのかなと気にしちゃったりして。それでちょっと大変だったなと思いました。あと海沿いの撮影もあったので寒かったですね」と告白。そんな三人を「映画映えしますよね。スーツ姿、歩いている姿を見るだけでも、映画離れした演技だったと思います」とほれぼれした様子の田口監督。実際に撮影をしてみて、「これはいけるぞと。前作を超える面白いものをつくれるという確信をスタッフ一同がしたという感じです」と手応えを感じているようだった。
前作の『大怪獣ブゴン』は、地元の老舗「別府温泉 杉乃井ホテル」が全面協力。同作の撮影のため、建て替えのために一時閉館となる客室棟・Hana館を爆破したことも話題となった。そんなことを踏まえ、「新作での見どころは?」という期待の声を寄せられると、田口監督は詳細は言えないとしつつ「今回もどこかしらが爆破される予定です」と期待をあおった。(取材・文:壬生智裕)