押井守、神山健治監督版『ロード・オブ・ザ・リング』を絶賛「珍しく素直にやったじゃん」
アニメ「攻殻機動隊S.A.C.」などの神山健治監督が手がけた映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(全国公開中)より、劇場公開に先駆けて本編を鑑賞した押井守監督、荒牧伸志監督ら著名人が感想コメントを寄せた。
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本作は、ピーター・ジャクソン監督が手がけた実写映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の200年前を舞台にした長編アニメーション。J・R・R・トールキンの原作「指輪物語 追補編」に記されたエピソードに基づき、騎士の国ローハンを治める伝説の王・ヘルムの一族の運命を活写する。
『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』でお馴染みの押井監督は、「珍しく素直にやったじゃん。よかったよ」と神山監督の手腕を絶賛。「攻殻機動隊 SAC_2045」「ULTRAMAN」で神山監督とタッグを組んだ荒牧監督は「神山健治が渾身して、して、しまくって実現した、日本のアニメの本気を見せてもらいました。スクリーンで体感し受け止めて欲しいと思います」と観客にアピールしている。
また、実写三部作でフロドの相棒・サムの日本語吹き替え声優を担当した谷田真吾は「映像、背景画、建物画など全体を通して圧巻でした! アニメーションの中にロード・オブ・ザ・リングがいるんです。僕の中のサムもいました。ロード・オブ・ザ・リングの世界を知らなくても楽しめる作品、是非劇場で確認下さい!」とコメント。
アニメ評論家・藤津亮太は「ローハンに攻め寄せるムマキルと武装した大軍。それを正攻法で描く映像がまず圧倒的だ。立ち向かうのは、原作では名前のない王女。本作は彼女にヘラという名前と、意志の強さを現す赤い髪を与えた。こうしてローハンの戦いは『ヘラの戦い』となった。本作の最大の魅力は、ヘラというキャラクターを『ロード・オブ・ザ・リング』の世界に創造したところにある」と語る。
アニメーション監督・本郷みつるは「子供の頃に原作を読んで好きになり、実写版に夢中になった私ですが、まさか2024年に日本で作られたアニメーション映画として新たな中つ国の物語と出会えるとは! 見所満載で、新たな沢山の試みの結果、日本のアニメが次のステージに行こうとしているのが分かり圧倒されました」と感想を述べ、映画ライターの渡辺麻紀は「ファンタジー映画のスタンダードを変えた『ロード・オブ・ザ・リング』がアニメーションの新スタンダードとなった日本の“アニメ”で大スクリーンに甦る。それも世界観と物語と感動を見事に引き継いだドラマチックな正統的前日譚として! 冒頭、実写と見まごう“中つ国”の山々にときめかないファンはいないはずだ。素晴らしい!!」と絶賛している。
あわせて、神山監督のもとに集結した才能溢れる声優キャストと製作陣が作品の魅力を語る特別映像も公開された。実写三部作の脚本を手がけたフィリッパ・ボウエンは、「ヘルム峡谷とヘルム・ハマハンドの物語が大好きでした」と昔からヘルム王の物語が好きであったと告白し、神山監督は「やっぱり(シリーズと)関連していた方が映画の厚みが出てくる。新たなストーリーも生まれてくるんですよね」と改めて三部作とのつながりを描くことでストーリーの厚みが増すと説明。製作のジェイソン・デマルコは、主人公となるローハンの若き王女・ヘラについて「彼女はまるで“フロド”だ。自分の持てる力を超えなければならない」と語っている。(編集部・倉本拓弥)