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役所広司が松坂桃李を称賛「彼しか思い浮かばない役」

5度目の共演となった松坂桃李&役所広司
5度目の共演となった松坂桃李&役所広司

 俳優の松坂桃李が24日、丸の内ピカデリーで行われた主演映画『雪の花 -ともに在りて-』(全国公開中)公開記念舞台あいさつに芳根京子役所広司小泉堯史監督と共に登壇。松坂は、5度目の共演となった役所から称賛されると「今日はゆっくり眠れそうです」と満面の笑みを浮かべた。

映画『雪の花 -ともに在りて-』フォトギャラリー

 本作は、吉村昭の原作「雪の花」を、映画『雨あがる』や『峠 最後のサムライ』などの小泉監督が実写映画化。天然痘の大流行によって多くの命が奪われていく江戸時代末期の福井藩で、町医者の笠原良策(松坂)が、人々を救うために懸命に尽くす姿を描く。

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 2019年公開の『居眠り磐音』以来の時代劇参加となった松坂は「約6年ぶりの時代劇でしたが、改めて時代劇というのはいいなと感じました」と笑顔を見せると、長年黒澤明監督の下で助監督を務めていた小泉監督の現場に「朝、僕ら役者が現場に入ると、すでに照明もカメラもセッティングされている状態。そこでテストをやってすぐに本番。本当に撮影が早く、長くても午後3時ぐらいに終わる。とても健やかな状態で毎日現場にいさせてもらいました」とプロフェッショナルな空間での撮影に感嘆する。

 松坂ふんする笠原が師と仰ぐ蘭方医・日野鼎哉を演じた役所とは、映画『孤狼の血』や日曜劇場「VIVANT」など5度目の共演となる。役所は「松坂さんの誠実で志に向かって諦めないところは、笠原良策という医者の役と合っている。彼しか思い浮かばない役です」と適役だったことを強調すると、司会者からの「惚れちゃいそうですね」という言葉に「惚れちゃいますね」と笑顔。

 そんな役所の発言に松坂は「今日はゆっくり眠れそうです」と照れくさそうに語ると「『名を求めず、利を求めず』と日野先生が言うシーンがありますが、あのとき役所さんの言葉が、良策さんを通り越して僕に刺さった感じがしました。今回5度目の共演をさせていただいたのですが、毎度毎度セリフを受けるときの印象が違う。すごい」と大先輩との対峙を回顧する。松坂の言葉に役所は「先輩を立てて、褒めてくれてありがたいです」と恐縮していた。

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芳根京子、松坂桃李、役所広司、小泉堯史監督が映画公開を祝って鏡開き

 また、本作で撮影を務めた上田正治さんが、1月16日に急性心筋梗塞のため亡くなった。小泉監督とは黒澤監督作品で長年現場を共にした、信頼できるカメラマンだ。小泉監督は「昨日葬儀が終わりました。素晴らしいキャメラマンだったので残念。黒澤さんは『カメラは芝居をしてはいけない』というのですが、それはとても難しい。でも上田さんは俳優さんを素直に、何のてらいもなく撮るキャメラマン」と稀代のカメラマンだったことを明かすと、「この映画は上田さんの最後の作品になります。この良さはスクリーンで観てこそ。黒澤組は斎藤(孝雄)さん、上田さんがメインでやっていました。僕も早くそっちに呼ばれたい」とつぶやく。

 松坂は「僕は監督とまだまだお仕事がしたいです」と懇願すると「監督がおっしゃったように上田さんにしか撮れない作品。山での過酷な撮影でも、カメラを担いで自分でどんどん行かれる。すごくエネルギーにあふれる方とご一緒できて幸せでした。素晴らしいスタッフの方と作り上げた『雪の花』をぜひ、つないでいってほしいです」と客席に呼びかけた。(磯部正和)

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