『キャプテン・アメリカ:BNW』初参戦のレッドハルクって?原作コミックでの設定、ハルクとの相違点

マーベル・スタジオ劇場公開最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』では、“赤いハルク”ことレッドハルクがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に初登場する。ハリソン・フォード演じるロス米大統領が変身するこのキャラクターは、一体何者なのか。原作コミックでの歴史や、ハルクとの違いを交えて掘り下げる。
レッドハルクとは

レッドハルクがマーベル・コミックで初登場したのは、2008年刊行の「Hulk (Vol. 2) #1」。レッドハルクの変身者がハルクの宿敵サディアス・ロスなのは、映画と同じだ。コミックのロスは「Incredible Hulk #1」(1962)で初登場した古参キャラクター。米軍の将校で、ハルクを追跡し続ける宿敵なのも、MCU版と共通している。
ロスのMCU初登場作品は、2008年公開の映画『インクレディブル・ハルク』。同役は、『ブラック・ウィドウ』(2020)までウィリアム・ハートが演じてきたが、彼の死去により、本作からハリソン・フォードが引き継ぐことになった。
コミックでは、ロスは自ら望んでレッドハルクになる。彼はハルクのような強力なパワーを手に入れるため、悪の天才科学者が集まる秘密組織インテリジェンシアと手を組み、自ら実験台になってレッドハルクに変貌する。一方、映画の予告編では、ロスの変身は自分の意思ではないように見える。映画のレッドハルク誕生の経緯は、コミックとは違うものになりそうだ。
ハルクとの相違点
映画の設定は不明だが、コミックでの設定を比較してみると、基本的に身体が巨大化し、超人的なパワーを発揮するのは、ハルクもレッドハルクも同じ。しかし、コミックではこの2者にはいくつか違いがある。
まず、ハルクは自分の意思に反して変身してしまうことがあるが、レッドハルクは自分の意思によって変身する。そして変身後も、変身前の意識や知性を維持できる。また、レッドハルクは、ガンマ線などのエネルギーを吸収してパワーを増大する能力を持つが、この能力はハルクにはない。
反面、レッドハルクにはハルクにはない弱点もある。パワーアップしたとき、ハルクは巨大化するが、レッドハルクは赤い色が濃くなり、体温が上昇する。そして、体温が上昇しすぎると、オーバーヒートして弱体化してしまうのだ。
レッドハルクは『サンダーボルツ*』にも登場する!?

レッドハルクが、今後のMCUに再登場するのかも気になるところ。実は2022年、ハリソン・フォードのMCU参戦が報じられた時に、マーベル・スタジオの次回作『サンダーボルツ*』に出演するとの噂が流れたことがある。
この噂が流れた理由は2つ考えられる。まず、サディアス・ロスのニックネームが“サンダーボルト”なので、情報が錯綜した可能性がある。そしてもう一つは、コミックで、レッドハルクがサンダーボルツを結成したことがあるからだ。
マーベルのヴィランチーム、サンダーボルツのコミック初登場は「Incredible Hulk #449」(1996)で、この時はバロン・ジーモが結成している。しかし、レッドハルクも「Thunderbolts Vol.2 #1」(2012)で、彼独自のサンダーボルツを結成しているのだ。その時のメンバーは、デッドプール、ヴェノム、パニッシャー、エレクトラ。いずれのキャラクターも実写作品に登場済みなので、ファンの期待が盛り上がって噂になっても無理はない。
またコミックでは、レッドハルクは後にヴィランではなくなり、「Avengers Vol.4」(2010)などでアベンジャーズのメンバーとして活動したこともある。となると、今後の『アベンジャーズ』映画に登場する可能性もあるかもしれない?
しかし、現時点では、レッドハルクの今後についての公式発表は何もない。はたして、レッドハルクは『サンダーボルツ*』に関係するのか? そして、今後の『アベンジャーズ』シリーズに登場するのか? まずはその前に、本編でその勇姿を確かめておきたい。(文・平沢薫)
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』は2月14日(金)日米同時公開