笑福亭鶴瓶、重岡大毅&上白石萌音は『35年目のラブレター』で「完全に夫婦」に

笑福亭鶴瓶が3日、丸の内TOEIで行われた主演映画『35年目のラブレター』の公開記念舞台あいさつに出席し、実話を基にした本作に「いい映画に出させていただいた」と自信をのぞかせた。この日は原田知世、重岡大毅(WEST.)、上白石萌音、塚本連平監督、そして主題歌「ずっと作りかけのラブソング」を担当した秦基博も来場した。
【画像】原田知世が美しい!『35年目のラブレター』公開記念舞台あいさつの様子
一通のラブレターをめぐる夫婦の実話を映画化した本作は、戦時中に生まれ、十分な教育を受けられず読み書きができないまま大人に成長した主人公・西畑保(鶴瓶)が、自分を支え続けてくれた最愛の妻・皎子(原田)への感謝を自身で書いた手紙で伝えようと、夜間中学に通い始めるさまを描く感動作。若き日の二人を重岡と上白石が演じた。この日の舞台あいさつは全国329のスクリーンでライブビューイング中継された。
世田谷パブリックシアターで上演中の独演会「TSURUBE BANASHI 2025」を終えたばかりで会場入りをしたという鶴瓶は、この日は終始かすれた声。「もともとこんな声じゃないんですけど、ごめんなさいね」と会場に謝ると、重岡が「普段からこんな声ですよ」とちゃかしてみせて会場は大笑い。そんな和気あいあいとした雰囲気の中、昨年の2月から3月にかけて撮影が行われた本作について鶴瓶は「本当にあっという間。この日が来てほしくないという気持ちもありますけど、いい映画に出させていただいたという実感がありますんで、1回2回だけでなく、3回4回と観に来てくださったら」と呼び掛けた。
制作のきっかけについて「5年前に妻がテレビを観ていて、すごくいい話だと言うので(本作のモデルとなった)保さんとコンタクトを取りました」と振り返った塚本監督は、「実は今日は家族が来ております。撮影中もエキストラで出ていましたけど、妻と娘たちに(皎子の口ぐせである)“ありがとさん”と言いたいです」と感謝。鶴瓶は「監督がすべて(脚本も)書かれているんですけど、ようあんなの書いたなと思いますわ」と感心すると、塚本監督は「鶴瓶さんの『TSURUBE BANASHI』はゲラゲラ笑って、でもしんみりさせる。この映画もそういう風にできたらいいなと思っていました」と返した。
さらに原田が「ちょうど去年の今日は西畑家のセットで撮影をやっていました。現場が和やかだったので、いい作品に仕上がるだろうと思っていました。本当に素晴らしい場所、景色を見せていただきました。監督の奥さまには感謝ですね」とコメント。重岡は「監督が“ありがとさん”とご家族に言ってるのを聞いて、自分も言いたくなります。まさに温かさの連鎖が日本全国で巻き起こったら」と期待をかけた。
そんな鶴瓶から「この二人(原田と上白石)は九州の出身なんだけど、関西弁がいいよね」と称賛された上白石は、「ありがとさん」とにっこり。「大好きな映画がこの世に出た喜びがありますし、何よりもうれしいのはこの物語が実話だということ」と語った。本作のモデルとなった西畑さんが撮影現場に来たこともあったそうで、鶴瓶は「撮影中にしゃべりかけてくるんですよ。“俺”に“俺”が」とボヤいてみせて会場を沸かせた。
本作の撮影において「夫婦に見える」ということが大切だったと力説する鶴瓶。原田も「皎子さんは保さんに出会って、とにかく力になってあげたいという気持ちが一緒にいるうちにどんどん湧き上がってきたんです。だから(夫婦になろうと)努力をしたというよりも単純に心が動いて、それが愛になっていくのかなと。だからわたしの皎子さんは、鶴瓶さんの保がいたから(夫婦に)なったように思います」としみじみ。そんな鶴瓶に向かって上白石は「知世さんに会えなくなって一番寂しいのは鶴瓶さんです」とほほ笑んだ。
本作には“何歳になってもチャレンジするのに遅いということはない”というメッセージが込められている。重岡は「僕もそう信じているつもりではあるんですが、どこかで『またでいいや』とか、ごまかしたことがあるなと。やはりチャレンジするには力もいるし、もし途中で投げ出したらみじめになってしまう。信じているけど、信じられていないところがあって。でもこの西畑保さんという人物を通じて見つけていこうというところもあって、本当にこの作品に出会えてよかった。(塚本)連平さんに声を掛けていただいて、あらためて“ありがとさん”」と感謝。鶴瓶も「そっち(重岡と上白石)はそっちで完全に夫婦になってたからね」と二人の芝居を称賛していた。(取材・文:壬生智裕)
映画『35年目のラブレター』は公開中