加瀬亮、朝ドラ「あんぱん」への思い語る ヒロインの心優しき父を好演

連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で主人公・朝田のぶ(今田美桜/幼少期:永瀬ゆずな)の父、結太郎を演じる加瀬亮。朝ドラ初出演となった本作で、結太郎の人物像や作品への思いについてコメントを寄せた。
連続テレビ小説112作目となる「あんぱん」は、「アンパンマン」の生みの親・やなせたかしさんと小松暢さんの夫婦をモデルとしたオリジナルストーリー。激動の時代にさまざまな苦難を乗り越え、やがてアンパンマンを生み出していく二人の愛と勇気の物語をフィクションとして描く。脚本は「花子とアン」「Doctor-X 外科医・大門未知子」などの中園ミホ。今田が暢さんをモデルとした主人公・朝田のぶ、北村匠海がやなせさんをモデルとした柳井嵩を演じる。
加瀬が演じる結太郎は、商事会社に勤め仕事で各地を飛び回りながら、妻と娘3人をとても大切にしている心優しい父親。結太郎について加瀬は、「台本を読んだときに、穏やかで、当時にしては先進的な価値観を持つ人物だという印象を受けました。娘たちに対しても「女らしくしなさい」というよりは、「膝をすりむいて帰ってくるくらいがいい」と思っているような父親で。家のことはすべて妻である羽多子さん(江口のりこ)に任せていますが、それに対してもきちんと感謝がある人だと思っています。貿易の仕事を選んだのは、きっと自由な世界を夢見ていたから。描かれてはいませんが、「石屋を継げ」と言う父・釜次(吉田鋼太郎)にも、「この仕事をさせてくれ」と何度もお願いしたんだと思います」とコメント。
劇中、結太郎が娘たちを大切に思い、言葉をかけるシーンについて「ああしろ、こうしろとは言わず、やりたいことに向かって遠慮するなと言ってあげられる父親ですよね。「女子も大志を抱きや」というセリフが2回出てきますが、脚本家の方がこの言葉を大切にしたいのだろうと思いました。あくまでも僕が台本を読んだ感覚ですが、強い言い方だとあまり心に残らないような気がして。サラッと言いつつも、のぶの心にしっかりと届くようにできたらなと。そんな気持ちで臨みました」と述懐。
本作への思いを「やなせさんは昔から好きな人だったので、今回参加できてうれしかったです。昔、“アンパンマン”の絵本を読んで、心があったかくなったことを覚えていて。その後、やなせさんの戦争体験の記事をいろいろ読んで、やさしい人なんだろうなという印象がずっと残っていました。第1回の冒頭にありましたが、変わらない正義とは何なのか。僕はこの先の物語は分かりませんが、この作品がそんなテーマを大切に描いていってくれることを願っています」と語っている。
語学堪能な加瀬は、ジョニー・デップと共演した『MINAMATA-ミナマタ-』(2020)やマーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』(2017)、ホン・サンス監督の『自由が丘で』(2014※主演)、アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)など海外の映画にも精力的に参加。近年は北野武監督の時代劇映画『首』(2023)で暴君・織田信長にふんし、その怪演が注目を浴びた。(石川友里恵)
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