36.8℃ サンジュウロクドハチブ (2017):映画短評
36.8℃ サンジュウロクドハチブ (2017)ご当地映画にとどまらない新たな風
いわゆる”ご当地映画”である。
だが、そう感じさせないところに脚本も手がけた監督の手腕が光る。
名産や名所をさりげなく盛り込みつつ、フォーカスするのは卒業を前に、進路に恋に友情に揺れる女子高生の心。
普遍的な青春映画だ。
だが関西ならではの小気味い会話が飛び交う脚本が、俳優のみならず多数出演している地元市民からも自然な演技を引き出し、
彼らの生き生きした表情が、他にはない加古川発の自分たちの物語を紡ぎ出している。
しかし特産がイチジクだったとは。
劇中披露される小洒落たイチジク料理に感嘆しつつ、今後続くシリーズは物語も料理も相当レベルをあげられたゾ!と期待と懸念が入り混じるのである。
この短評にはネタバレを含んでいます