アカデミー賞助演男優賞はベテランのハリウッドスターが勢ぞろい!サプライズなるか!?
第96回アカデミー賞
アカデミー賞の常連で通算8度目のノミネートとなるロバート・デ・ニーロをはじめ、MCUシリーズでもおなじみのロバート・ダウニー・Jrとマーク・ラファロ、さらにライアン・ゴズリングと、長いキャリアと国際的な知名度を誇るベテランのハリウッドスターが顔をそろえた助演男優賞。前哨戦の結果から、ロバート・ダウニー・Jrが頭一つリードしているが、『アメリカン・フィクション』で個性的なキャラクターを演じ、強い印象を残したスターリング・K・ブラウンの存在も気になるところ。サプライズ受賞も少なくない部門だけに、最後まで気が抜けない。(文・今祥枝)
スターリング・K・ブラウン 『アメリカン・フィクション』
地方の舞台でキャリアをスタートし、2000年代からテレビや映画に出演。ドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」のランダル役で人気を博し、エミー賞ほか数々の賞に輝いた。映画は『ブラックパンサー』や『WAVES/ウェイブス』などでも実力を示してきたが、『アメリカン・フィクション』ではジェフリー・ライトが演じる作家の兄弟役で際立つ存在感を発揮。陽気で笑いを誘うことも多いが、トラブルを抱える厄介者であると同時に家族思いの繊細な一面を持つ複雑なキャラクターを作り上げ、嬉しい初のアカデミー賞ノミネートを勝ち取った。
スターリング・K・ブラウン
1976年4月5日生まれ
アメリカ・ミズーリ州出身
主な出演作
『リズム・セクション』(2020)
『WAVES/ウェイブス』(2019)
『ザ・プレデター』(2018)
『ブラックパンサー』(2018)
ロバート・デ・ニーロ 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
アカデミー賞では『ゴッドファーザーPART II』で助演男優賞、『レイジング・ブル』で主演男優賞の2度の受賞歴を誇る。また通算のノミネート数では、今回で8度目となるオスカーの常連だ。『ミーン・ストリート』以来、マーティン・スコセッシ監督とのタッグもよく知られている。同監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』では、表向きは親切な町の立役者だが、実際には残忍な犯罪者のボスとして君臨するウィリアム・ヘイルを怪演。抑えた演技の中にも有無を言わさぬ圧を感じさせて、さすがの迫力! 3度目の受賞を狙う。
ロバート・デ・ニーロ
1943年8月17日生まれ
アメリカ・ニューヨーク州出身
主な出演作
『アイリッシュマン』(2019)
『ジョーカー』(2019)
『マイ・インターン』(2015)
『タクシードライバー』(1976)
ロバート・ダウニー・Jr 『オッペンハイマー』
アメコミ映画人気の口火を切った『アイアンマン』シリーズと『アベンジャーズ』シリーズなどで演じたトニー・スターク役で、世界的に人気のロバート・ダウニー・Jr。その演技力にはキャリア初期から定評があり、アカデミー賞ではチャーリー・チャップリンを演じた『チャーリー』で主演男優賞、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で助演男優賞にノミネートされている。『オッペンハイマー』では、オッペンハイマーと対立するルイス・ストロースを演じ、並みいる俳優陣の中でも際立つ存在感を発揮。通算3度目のノミネートにして、初受賞に王手をかける。
ロバート・ダウニー・Jr
1965年4月4日生まれ
アメリカ・ニューヨーク州出身
主な出演作
『アベンジャーズ』シリーズ(2012~)
『シャーロック・ホームズ』(2009)
『アイアンマン』シリーズ(2008~)
『ゾディアック』(2006)
ライアン・ゴズリング 『バービー』
俳優でミュージシャンのライアン・ゴズリングは、ディズニー・チャンネルの「ミッキーマウス・クラブ」の子役としてキャリアをスタートした。『きみに読む物語』で注目を浴び、『ハーフネルソン』の薬物中毒の教師役でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。以後、『ラースと、その彼女』などで演技派俳優の地位を確立した。『バービー』では、一途にバービーに思いを寄せるケン役で、笑いを誘うコミカルさと同時に悲哀を感じさせる役作りが絶品。『ラ・ラ・ランド』に続く通算3度目のノミネートで、ロバート・ダウニー・Jrの対抗馬として追い上げる。
ライアン・ゴズリング
1980年11月12日生まれ
カナダ・オンタリオ州出身
主な出演作
『ブレードランナー 2049』(2017)
『ラ・ラ・ランド』(2016)
『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』(2011)
『ドライヴ』(2011)
マーク・ラファロ 『哀れなるものたち』
舞台で経験を積みながら、『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』の主役に抜てきされて注目された。以後、『ゾディアック』などの話題作に出演し、『アベンジャーズ』シリーズではハルクを演じて国際的な知名度と人気を獲得した。アカデミー賞は『キッズ・オールライト』で助演男優賞に初ノミネート。『フォックスキャッチャー』と『スポットライト 世紀のスクープ』に続き、同部門4度目の候補となる『哀れなるものたち』では、放蕩者で俗物な弁護士ダンカンを嬉々として熱演し、改めて演技の幅の広さを証明。受賞の可能性は十分にある。
マーク・ラファロ
1967年11月22日生まれ
アメリカ・ウィスコンシン州出身
主な出演作
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(2019)
『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)
『フォックスキャッチャー』(2014)
『アベンジャーズ』シリーズ(2012~)