山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ザ・ネゴシエーション
    イ・ジョンソク監督の名前は覚えておいたほうがいい!
    ★★★★★

    K・スペイシー出演の『交渉人』は傑作だったが、こちらも同様。国際的な犯罪者が人質救出失敗というトラウマを抱えたソウル警察の交渉人を指名というだけでワケ有りな感じだが、観客の想像を超えたサスペンスやヒネリが用意されていて、最初から最後まで目が離せない! 伏線の張り方も見事で、カタルシス溢れるクライマックスまで大満足。イ・ジョンソク監督はこれがデビューというが、緊張感を高める演出や音楽の使い方などすでにベテランの域で、今後の活躍が楽しみな人材だ。悪役初挑戦のヒョンビンは心に重石を抱えた複雑なキャラクターを熱演し、役者としての新境地を披露。推し俳優キム・サンホの安定の脇演技もお見逃しなく!

  • アートのお値段
    アート・マーケットってとても民主主義的!
    ★★★★★

    数十億円で落札されるアートがある一方、無価値とされるアートがある。その差は何か、をわかりやすく伝えてくれる作品だ。監督が観客に近い感覚で業界人に質問を繰り出し、彼らの回答もかなり率直だからだろう。アート=投機対象という皮肉なアジェンダは感じない。富裕層のマネーゲーム的イメージは強いが、需要と供給の関係で価格が決まる民主主義的なマーケットとわかる。仕組みを熟知した作家が自身の作品につけられた価値をどう考えるかは興味深いが、監督は純粋にアートを作り続けるL・プーンズと商業主義的なJ・クーンズを比較させない。比較に意味はないから。芸術家の思いが価値を左右することはなく、そこに一抹の切なさもある。

  • カーライル ニューヨークが恋したホテル
    一生縁がないから、大画面で拝むだけです
    ★★★★★

    ケネディ家や故ダイアナ妃をはじめとするセレブの御用達ホテルのホスピタリティが次々と明らかになる! ただし完成されたものなので『プロジェクトX』的アプローチがなく、つまりは盛り上がりに欠ける。スタッフもスーパーリッチなゲストも仲間意識が強く、語られる内輪ネタと大絶賛にただ「ほほぅ」とうなずき、アウェイ感を感じるのみ。一生泊まることは叶わないと開き直って、大画面で素敵ホテルを満喫しましたよ。ただしA・カミングのマル秘エピソードは大笑いしたし、ジョン・ハムの「大学入学費と変わらぬ高額な宿泊料はバカげている」という言葉に好感度大。

  • ピータールー マンチェスターの悲劇
    既得権を持つ富裕層が得する状況って、今の日本にも似ている
    ★★★★

    歴史に疎く、「こんなことがあったんだ」という驚きにも似た気持ちで画面に引き込まれた。史実に忠実に描いた淡々とした物語なのだが、ナポレオン戦争終結後に起こった経済不況、そして穀物法という悪法のせいで困窮する庶民の悲惨な生活ぶりを伝える構成で緊張感が高まる。富や既得権を独占する貴族や政治家の醜悪さとの対比からマイク・リー監督の怒りが伝わり、見る側の怒りを誘発する演出もいい。庶民が自由と選挙権を求めて立ち上がったのも無理はなく、上位1%の富裕層に怒る若者がウォール街を占拠したのを思い出した。とはいえ、状況は悪化しする一方で「とりあえず生活はできる」に満足し絵はいけないと自戒。ただね、長すぎかな。

  • ライオン・キング
    CGIの進化に驚愕し、役者不要論の可能性を考えた
    ★★★★★

    映画の新たな可能性を示す作品であり、J・ファブロー監督の手腕に脱帽。CGIで描いた(?)動物が非常にリアルで、アフリカの実写風景に見事に馴染んでいる。役者不要論をバカにしていたけど、現実味もあるかもと危惧するくらいに素晴らしい映像美。シンバが父王ムサファの足跡にそっと自分の足を重ねる場面はアニメ版も好きだったが、さらにグッときた。好演の声優陣のなかで、特に素晴らしいのがザズー役のJ・オリバー。軽妙洒脱で人情(鳥情)味あるトークでコミックリリーフをとして大活躍する。またナラ役のビヨンセもウーマンパワーを感じさせる力強い役作りで、女王となる雌ライオンの貫禄たっぷり。

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