山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • シークレット・スーパースター
    虐げられる女性と子供に勇気を与える痛快作!
    ★★★★★

    インドが抱える様々な社会問題を改善しようと活動する人気俳優アーミル・カーン。彼が製作を務めただけあって、青春映画でありながら女性のエンパワーメントに重きを置いた痛快作だ。ヒロインはシンガーを夢見る14歳のムスリム少女インシン。彼女が強権的な父親という障害をどう乗り越えるのか?という物語で、ムスリム女性が置かれた境遇や男尊女卑の悪習を明らかにする。夢を追う強い気持ちと才能が周囲を動かし、そんなインシンに母親がインスパイアされる展開は、「こうありたい」というインド女性はもちろん、世界中の虐げられた女性と子供に勇気を与えるはず。カーンも崖っぷちの元人気歌手役で脇を支えるグッド・ジョブ。

  • あなたの名前を呼べたなら
    カースト制はないというけれど……
    ★★★★

    ダンスも歌もないボリウッド映画である本作が描くのは、富豪青年とメイドの恋。身分を超えた恋愛の場合、ハリウッドではシンデレラストーリー的にハッピーに描かれがちだが、インドでは恋愛感情の芽生えからしてひっそりとしとやか。一種の禁忌を感じさせるのは文化的背景によるのだろう。“ご主人様”としか呼んではいけない男性にほのかな恋心を抱く未亡人メイド、そして使用人と心を通わせるなどご法度な青年それぞれの心情を丁寧にすくい取ったR・ゲラ監督のお手並みが鮮やか。
    21世紀になっても残る女性蔑視や身分制度が残るインドだが、最近の映画を見ると「否」を訴えるフェミニストが育っているのは明らかだ。

  • トム・オブ・フィンランド
    ゲイ・カルチャーのアイコンを作った男の素顔に迫る
    ★★★★

    A・パチーノ主演作『クルージング』で存在を知った黒レザーのガチムチ男性像。ゲイ・カルチャーにおけるアイコンのひとつであるその像を作り上げたフィンランド人アーティスト、トウコの人生が実に興味深い。まず独特なエロティック・アートの背景である戦争中の体験が強烈。そして同性愛が違法な時代には “本当の自分”をひた隠し二重生活を送り、隠れて描き続けた作品でゲイ・プライドの象徴となり、没後にようやく故国でも認められる。この映画はフィンランドにおけるマイノリティの歴史でもあり、才能だけで社会現象を起こした男のラブストーリーの側面もあるユニークな物語だ。

  • 守護教師
    こんな教師がいたらJKも安心です
    ★★★★

    “聖職”とは思わないが、未成年買春で逮捕される教師のニュースを見るたびにトホホな気分になる。本作はそんな気分を吹き飛ばす痛快作だ。田舎の女子校に体育教師として赴任した元ボクシング・コーチのギチョルが生徒失踪事件に巻き込まれたのをきっかけに物語が動き出し、田舎町の闇が明らかに。主演のマ・ドンソクは怖いもの知らず役が似合うが、今回は演技派K・セロン演じる気の強いJKにタジタジの心優しき巨人役。マブリーさ全開だし、セロンとの相性もとてもいい。もちろんクライマックスではお得意の体当たりアクションで事態を正してくれるわけで、高校時代にこんな教師に教わりたかったと思うばかり。

  • ワイルド・スピード/スーパーコンボ
    人気シリーズが新たなフェーズに突入?
    ★★★★

    人気シリーズのスピンオフには、本家のファンも大満足なカー(バイク)アクションと華麗でパワフルな殴り合いが詰まっていて、新たなフェーズ突入の予感大。D・リーチ監督は格闘シーンに重きを置いていて、役者の動きがしっかりとわかるスローモーな技闘は実に見応えあり! もちろんI・エルバが演じる悪役はAI搭載のメタヒューマンだし、ロック様はヘリコプターと綱引きまでするわけで、冷静に考えるとかなりバカバカしい。でもこういう映画は「考えるな、感じろ」ってやつです。そしてリーチ監督がらみの大物俳優のカメオ出演に爆笑。口八丁の役者二人はさらなるスピンオフにも続投するのか気になります。

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