山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • チャーリー・セズ/マンソンの女たち
    タランティーノの新作を見る前にこちらも必見!
    ★★★★

    60年代ハリウッドを舞台にしたQ・タランティーノ監督の新作に登場するマンソン・ファミリーのことをよく知らない人にオススメしたいのが本作。凶悪事件を起こし有罪になった女性たちに焦点を当て、マインド・コントロールされていた状況やチャールズ・マンソンという男の本性を明らかにしていく展開で、カルトの恐ろしさに息を飲む。中心人物レスリーをはじめとする実行犯3人の心模様の変化が伝わりにくく、その部分はもう少し掘り下げて欲しかった。一方、マンソン役のマット・スミスは熱演で、カルト指導者の異常性や卑小さが手に取るように理解できる。なぜ、こんなにも薄っぺらい男に多くの人々が従ったの?

  • ブレス あの波の向こうへ
    大人への階段が上りやすいとは限りません
    ★★★★★

    13歳でサーフィンと出会った少年ふたりの成長を描く青春物語は、心打たれる要素がぎっしり。親友とのライバル意識、初恋、勇気を試される瞬間、そして大人の欺瞞への疑問は大人への階段を上る途中で誰もが経験することだろう。だからこそ、主人公パイクレットの気持ちが痛いほどわかってしまう。みずみずしい魅力を発揮するサムソン・コルターが不器用なくらいに真直ぐなパイクレットを熱演。演技初体験というから、サイモン・ベイカー監督の演出や演技指導が良かったのは間違いない。それにしても、サーフィン映画にはいい映画が多いな。哲学を感じさせるスポーツだから?

  • 隣の影
    ご近所付き合いが怖くなり、庭のない家に住みたくなる!
    ★★★★

    隣家の大木が我が家の庭に影を作っている! 傍目には些細に思える事態に端を発する隣人同士の敵対関係がどんどんエスカレートし、驚きの連続。特に頑固な老婦人の常軌を逸した行動が怖すぎる。頑なに庭の木に固執するので、「もしや死体でも埋めたか?」と邪推したし、妄想を掻き立てる展開もこの作品の魅力だ。平凡な人の普通の生活も一歩間違えれば狂気的な事件へと発展する、まさに今の時代を反映させた脚本の巧みさ。不穏な空気感を盛り上げる映像もよし! 見ながら、ご近所付き合いに至らない点はないか自問自答。庭付きの家にはもう憧れないな。

  • 出国 造られた工作員
    階級社会から離脱したつもりで、リアル階級国家に入国!?
    ★★★★★

    韓国人拉致家族問題が元ネタの実話サスペンスで、政治に巻き込まれた一般人が哀れすぎる。主人公は、韓国でも移住先の西ドイツでもうだつが上がらない経済学者。大学にありがちな階級社会から離脱しても承認要求が高かったのが欠点で弱みを握った北朝鮮にグイグイ追い詰められていく。このあたりの描写が地味に恐ろしく、だからこそ真実味が高そう。謎のベールに包まれた北朝鮮の一端が垣間見えて、興味深し! 韓国やドイツ、ロシアの諜報機関が絡み合う終盤は映画的脚色と思うが、当時の北朝鮮の世界における立ち位置が理解できてないため、韓国以外の国の狙いがイマイチよくわからず。もっと勉強せねばと思った次第。

  • モデル 雅子 を追う旅
    パーソナルな思い出を共有させてもらいました
    ★★★★★

    もはや死語のDCブランドやハウスマヌカンなんて言葉が使われていた時代にデビューした雅子には文学の香りがあ理、独特な世界観で突出した存在だった。当時を知る身としては、ノスタルジーを感じる瞬間も多々。彼女をよく知る人々の言葉から浮かび上がるのは、30年も第一線で活躍し続けられた高いプロ意識や知的好奇心の強さだ。そして仕事への情熱。病を得てなお、「ビューティーならやれる」と言い切ったと知り、人気モデルであり続けた理由に納得。夫である大岡大介氏がモデルとしての雅子を追いながら、愛妻の死を受け入れるまでの物語のようでもあり、パーソナルな思い出を共有してくれてありがとうという気持ちになった。

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