山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ギャングース
    日陰に咲く花のたくましさを感じる青春アクション
    ★★★★

    半グレ集団と対決する3人組の話だが、社会からはみ出した状態で生きざるを得ない青年3人のサバイバルは物悲しくも痛快で、日陰に咲く花のたくましさを感じさせた! 原作者がルポライターということもあり、キャラ設定や犯罪ディテールがかなりリアルに思えた。特に特殊詐欺に関わる受け子の巧妙な手法にうっとり。主演3人のコンビネーションは抜群で、特に目を引いたのが加藤諒の熱演。顔立ちが個性的すぎて役を選ぶタイプの役者だが、心に深い傷を負いつつも明るいカズキは彼しかいないと思わせるハマリ役。サイコパスっぽい敵役のMIYAVIやヤンキー臭漂う女性が似合う篠田麻里子はじめ、配役も素晴らしかった。

  • 台北暮色
    台北に住む人の息遣いが聞こえてきそう
    ★★★★

    台北のとあるアパートに住む女性と大家の息子、アパートの修理をする青年の日常を切り取った物語には大事件は発生しない。しかし日々の暮らしの中で起きるちょっとした出来事や会話、行動から浮かび上がる彼らの悩みや思いにぐいぐい惹きつけられる。ホアン・シー監督が焦点を当てたのは、言い古された言葉だが、等身大の人間の生活だ。そして3人の人生を見つめる彼女の視線が温かいこともあり、「生きるって、こういうことだよな~」と心底、納得。映像は繊細で美しく、切り取って絵ハガキにしたいようなシーンが多数。今にもスクリーンから台北に住む人の息遣いが聞こえてきそう、そんな気分になった。

  • マダムのおかしな晩餐会
    富と名声にまみれた世界を斜め上から見おろしてます
    ★★★★★

    富豪の2番目の妻アンが上流階級のルール(?)のこだわったことで起こる騒動は、富と名声に支配された世界の薄っぺらさをカリカチュア的に描いた快作だ。王族の一人という付加価値をつけられたためにスノッブな男に言い寄られるメイドのマリアをめぐるリッチな人々の思惑や言動が滑稽だし、彼女が階級を飛び越えるのではと不安がるアンの狭量さに呆れる。気取った世界に放り込まれても庶民的な価値観を崩さないマリアの異星人のような魅力が輝き出す展開に思わず快哉! アルモドバル作品でおなじみのロッシ・デ・パルマが演じるマリアは、個性的な外見で強烈な印象を残す逸材だが、本作では観客のハートを独占する共感性の高い名演を披露する。

  • 人魚の眠る家
    脳死、という重大問題に向き合った真摯な物語
    ★★★★

    幼い娘が脳死状態となった夫婦の選択から浮かび上がるさまざまな人間模様、人間関係に考えさせられる家族ドラマだ。脳死は死なのか?目は覚まさないけれど、肉体は健やかな状態の娘を必死で守る母親像に共感しつつも、心の片隅に違和感を持つ。この心のざらつきが最後にすっきりと解消される展開は、東野圭吾の筆力もあるが、篠原涼子の演技力によるところが大きいだろう。彼女自身が母親であり、ヒロインの心情を深く理解しているのが伝わってくる。非常に重いテーマを扱っているが、人間の尊厳や生死問題をきちんと扱った真摯さに好感が持てる。ずっと目を瞑ったままの演技に挑んだ稲垣来泉ちゃんにも拍手!

  • ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
    今回はついにジョニデが活躍しますよ
    ★★★★★

    技術の進歩によりJ・K・ローリングが創造した魔法世界の造形はさらにファンタスティックに! 中国の獅子や日本の河童をイメージしたクリーチャーも登場し、映像美は華々しく賑やか。目がチカチカし、その夜は眼精疲労を実感したほど。ジョニデ演じるグリンデルバルトが復権して野望が明らかになるが、クリーデンスがどう絡むのかはまだ明かされず。素敵なクリフハンガーになっているのは、さすがはJ・K・ローリング。脚本家としても秀逸だ。ティナとニュートの関係は今後進展するのか? J・ロウがセクシーさ全開なせいで“ダンブルダディ”と一部で呼ばれるダンブルドア先生の今後の方針など次作が待ち遠しく、もどかしいわ。

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