まほの[子連れ]ハリウッドへの道11
まほ、目撃者になる!(恐怖の大事件の巻) |
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それは去年の暑い夏の夜のことでした、、。 その時私はジェシカと二人でリビングで、いつものようにほろ酔い気分でおしゃべりしてたんです。 時は夜中の1時くらい。 ジェシカが突然 「しっ。なんか聞こえない??」 って、急に言い出したんで、私も、お喋りをやめて耳をすましてみると、、。たしかに部屋の外で、人が怒鳴りあう声が聞こえてきた。しかもかなりもめてるみたい。生まれながらに野次馬魂をもっている私は耐えられなくなって、外の様子を見に行こうと、、、、して、ジェシカにとめられた。 日本とかだったら、余裕かも知れないけど、やっぱアメリカでそういう事をしたらいけないんだって。幸い、私のお部屋のブラインドはしまってて部屋の電気もついてなかったから、私とジェシカはそおっと外の様子をうかがうことに成功した。 外で、もめていたのは、白人の20歳くらいの男の人と、黒人のおじさん。 どうやら、白人の男の人が最初に、黒人のおじさんに「くせーぞ。黒んぼ」とかって、差別的な事をいったらしい。 それで、あやまれ、あやまんねーのケンカが始まったみたいだった。二人で、かなり言い争った後、黒人のおじさんは、もういいって言って、私の部屋の前から見えなくなっていった。 あまりに、サイテーな白人の男の人に嫌気がさしたみたいで、自らケンカをやめて立ち去っていったみたいだった。 ジェシカと二人で、ほっとして、飲みなおそうとリビングに向かおうとしたその時、 「I'm SORRY!!!」 嘘でしょ?? あんだけ傲慢な態度をとってた若者が、言った言葉だった。 信じられない気持ちで、またブラインド越しに外の様子をうかがうと私達の真正面に彼が立っていた。 「おやっさん、悪かったな、黒んぼなんてよんで。あやまるよ。だから仲直りの握手だ」 そう言ってニコニコしている白人の後ろ手に、でっかいこん棒みたいなものを握っているのが見えた。 どういう事になるかは予測が出来た。隣で、ジェシカのからだがこわばるのを感じて、私は吐きそうになった。 「とめようよ」 「ダメ。もし、あの人がギャングとかだったらどうすんの? ここは私達の家だよ。仕返しに来たりしたらどうすんの?」 口ではえらそうな事を言ってても、私の体は恐怖で固まってた。おじさん、お願いだから戻ってこないで。頼む。このひと、殴るつもりだよ。 そんなことを思ってるうちに、男の姿が私の部屋の前から消えて、黒人のおじさんの声がした。 「もうあんな事いうなよ」 それから、もう一回、白人の男の声。「I'm SORRY!!!」 が聞こえたあと、鈍い音がした。 それから、物凄い悲鳴。 私は思わず耳を塞いだ。恐怖と、自分への怒りと、男の意図への怒りが込み上げてきて、心臓がバクバクいってた。 ジェシカと私は、警察に連絡した。彼らはすぐに来てくれたが男のひと二人はもういなくて、 警察は、「そのへんをけがした黒人のおじさんが歩いていないか探してみる」って言って帰っていった。 私は、今でも、あの時の悲鳴が忘れられずにいます。 この事を思い出す度になんにもできなかった自分の弱さに腹が立って仕方がありません。 ああ、私が、ターミネーターみたいに無敵だったら‥‥‥。現実は、映画のようにうまくはいかないもんです。 <お知らせ
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