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まほの[子連れ]ハリウッドへの道29

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早すぎる成功も考えもの…ハリウッドの子役達の巻)

【第30回ルームメイトのすすめ(男一人に女二人同じ屋根の下) 】


                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

 ハリウッドで、自分の子供が俳優デビュー! 

なんて、ステージママ達の憧れですわな。もう、きっとついついはしゃぎすぎて子供に嫌われちゃうくらいでしょうよ。子供産む前は、そんな親の姿を見て

「へん、恥ずかしーな。ステージママだってさ。だせーだせー」

なんて言っていた私ですら内緒で出した、たまごクラブのモデルの返事を密かに期待してしまってたりしてるくらいなんだから。(とほほ)

でも実際、子役って聞くとなんだかダークなイメージ結構ありますよねえ。若すぎた時に成功すると、学校にも行けずに将来ろくな大人になんないとか、13歳くらいで麻薬に溺れちゃったりとか。家庭が崩壊しちゃったりだとか。 私が、とってもお世話になったドラマ「ソプラノズ」(日本では「哀愁のマフィア」wowowで放送中)には、17歳の女の子が二人と12歳の男の子が一人でてきて、三人ともドラマでは、かなり反抗的な役どころ。

あのジェームズ・ガンドルフィーニにもくってかかっちゃうおっそろしーい怖いもの知らずなやつらなのです。しかもまた、演技が地でやってんじゃないかってくらいリアル。 撮影現場に初めて行った日、私はそんなくそ生意気なハリウッド子役に会うのかーとかなり構えておりました。そう言えばさっきからハリウッドハリウッド言ってますが実はこの「ソプラノズ」はNYで撮影されているため子役の3人は根っからのNYっ子。うーん。輪をかけてたちがわるそうジャ。 

ドキドキしながらスタジオに向かうと、入り口のそばの路上でスケボーをしている男の子が。

「おっ。やってるねえ。なんかトリックしてみせてよー」

と、声をかけると、あらまソプラノファミリーの男の子じゃあないの。いきなり身構えると、彼はとってもフレンドリーに

「トリックは出来ないんだよねー。難しいよ。プレステでならできるけど」

実は彼の言ってるプレステのスケボーゲームにはまっていた私は、彼とゲーマー話でかなり盛り上がりその日からすっかり仲良しに。 上の女の子達もすごくイイコ達で、私はかなり拍子抜けしてしまいました。イメージしていたような生意気さなんてこれっぽっちもありゃしないんだもん。着てる服だって全然地味だし。

日本のコギャルとかのほうがよっぽど大人っぽいくらい。 数日間現場にいるうちになんでこんなにイイコ達なのか分かった気がしました。それは、ソプラノスの現場って常に常に笑いが溢れてて(めちゃ暴力的なシーンは満載だけど)スタッフも誰も、三人を特別扱いなんてしなくて、仲良しで、お母さんがエキストラで参加しちゃったりとかもしてて、ホントに素敵な現場なんです。それこそ「ソプラノファミリー」って感じ。

もし、周りに態度が横柄でいっつもどっかり出演者用の椅子に座ってるような俳優さん達ばっかりだったら三人も生意気な子役になっちゃってたかもしれません。 やっぱり、人間周りの環境が大切なんですな。ふむふむ。  

冗談を言ったり休み時間にはスケボーの練習に付き合ったり、私は毎日現場でこの12歳のチビソプラノに元気をもらっておりました。 だから、お別れの時はせつなかったー。達者でな。ハグハグ…と涙ながらに別れたのでした。

ところが先日、とってもショックなニュースを耳にしました。そのチビソプラノが、ドラッグと、強盗で起訴されてしまったんです。はじめは信じられなくてホントに悲しかった。 一体何が彼に起きちゃったのかは分からないけど、まだまだ若いし大丈夫だ! ドリューみたいに大人になるまでにやるだけやって、悟り開く人もいるし。

まずは反省、それから頑張れチビソプ!!! 遠い日本からエールを送ってるぞお。届かないだろうけどね。

                             

来週に続く…

お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!


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FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp

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