森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
ロビーという、すんばらしいベビーシッターをゲットしてさあ撮影! だったのだが…。普通、ドキュメンタリーって言うのはある程度の構成ってものを考えて撮るものなんだけど、私はまたもぼけっとしてとりあえず撮ってた。
私には、情熱大陸とか、ウルルンを監督したりしたすげーいとこがいてその人から、お手本の資料とかを借りて、完全にいい気になってたのだ。
こ、これさえあればー。むふふふふ。そんな私はまるで、カーマスートラ性の教典を手にした、クソガキの様。知識を詰め込んでも、技術が伴ってない。手はブルブルぶれるわ。ズームをゆったりしようとしても、ボタンの加減が出来ずにズーーーッムってなっちゃうわ。こんなはずじゃあ…ってことばっか。
あんた誰かに、助けをもとめなよ。ってお思いでしょう。でもこれが、私のこっそり道。恥ずかしくて言い出せないんです。いや、マジで恥ずかしいんです。ジ、実は映画を…って言ってる間に、私の鼓動は高まりきっと相手は、「映画あ?ばっかじゃねーの? できるわけねーよ」とか思ってんじゃと、考え、そのうち胃がきりきり痛みだす。だから、ダメなのよね。
ホントに、今となっては反省しております。編集ですごく行き詰まったときに、ドキドキしながら友達にヘルプを求めたら「良いよ!」って言ってくれて、
ああばかなことで悩んでたなあと思いましたわ。
つーわけで、結局一人でこそこそ撮り続けた私。ここで、大問題だったのは、時が経つに連れ膨れ上がる私のパイオツ。 そりゃ、3か月だもの。私の胸は今までにないデカパイ。
授乳絶頂期なわけです。膨れ上がるだけなら、大喜びなのですがこれはただ単に張っているため、すごくいたいわけです。(殿方にはわかりませんな)どんな痛みかってえと、小学生くらいの頃に胸が膨らみだして、徒競走で走ったときに痛いッていうのの50倍くらい。
だから、撮影をしているとうっ。もう我慢できん。て時が来る。
そういうときは、必死に走ってお家に帰り、かむたんにおっぱい飲ませる。そして、またカメラかついで駅前に走る。
それが三時間ごとに、やって来るわけ。 とにかく、散々だったけど、これもまたこっそりと痛がり、こっそり家に帰り、こっそり乳をやり。 そんな風に、撮影も終わって残されたのは、だらだらだらだら撮り続けた膨大な量の素材テープ。
情熱大陸の、いとこの言葉が脳裏に浮かんだ。
「真帆、構成は大事だぞ」
うああああああ。
構成考えてれば、こんなに膨大なテープにもならず要領良く撮れたのに。
そして、またも浮かぶいとこのお言葉。
「真帆、テープ起こすの地獄だぞ」
ぎゃあああ。そういや、このテープを一秒づつ起こさねばならぬのか。
映画作りで何が大変だったって、これが一番大変だった。
カムの寝てるまにこつこつテープおこし。起きてるまにも、テープおこし、してたら必ずなんかやりに来るかむタン。
いっちにっち一歩、三日で三歩。三歩歩いて二歩さがるーんにゃ。
こんな歌が、お似合いでしたね、この一年。
そして、一年が過ぎて。ようやく、このこっそり映画制作話も、こうして読者の皆さまに発表することになったわけです。 映像にたけた人には、笑われるような代物かもしれませんが、愛情だけは注いだつもりでございます。
もしお時間のある方は、ぜひぜひご覧にいらして下さいませ。
次週につづく
ついに、まほちゃんが映画を完成させました!
映画「おじいちゃんの焼き芋」を自主上映します。御興味のある方はこちらへどうぞ!
http://yakiimo2002.tripod.co.jp/
お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!
ハリウッドへ戻れる日を指折り数えて待ちつつ、子育てに励む20歳の乙女、まほちゃんへ励ましのメールを!
(皆様からいただいたメールから、まほちゃんはパワーをいただいているそうです。メールは編集部で1度受け取ってからまほちゃんへ渡されます。本人へ直接メールされるわけではありませんのでご了承下さい。また、いただいたメールはまほちゃんが必ず読んで出来る限りお返事を書きたいとのことです。)
FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp
|