森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
高校生の頃、低血圧の私はよくぼーっとしてブラをし忘れて学校へ行ったことがあった。それって、多感期の乙女にしてみればけっこう…つうかかなりの動揺。はっと、気付いてはかばんを抱えるようにして学校に行ってたあの可愛い自分が懐かしいわ。
でも、その悪癖(?)は私の親友にもあって彼女の場合ノーブラなぞ日常茶飯事。しかも私のようにペチャパイではないので悩殺女子高生だ。
よく、「まえにいるおっさんの視線で気付いた」とか言っていたけど一昔前までノーブラってのは私の中では大事件だったのさ。
それが、どうしたことか最近の私は、常にノーブラ。ナッシング。まあ、子供がいるってのもあるけど、これは妊娠して始まったことじゃないのよね。私にノーブラの心地よさを教えてくれたのはなんてったってユナイテッドステイツ。アメリカよっ。
アメリカに行ったばかしの頃私は女性達の乳首の透けっぷりに開いた口がふさがらなかった。上は、ばあちゃんから下はティーンエージャーまで。しかもタンクトップとかなのに!!! みんなー!透けてんぞー! と、心で叫びながらも私は毎日あってもなくても変わらんブラをせっせと付けておったわけさ。
そんなある日、私はとある洋服屋でとてつもないタンクトップを見つけた。なんか背中がでかく空いてて、でもかっちょよくて、とても涼しそうな代物。
そのころわたしは、NYの四十何度っちゅう暑さの中で働いていたので、こんなタンクトップはものすごく欲しかったの。でも、これ一体どうやってブラを付けるんだ?
だってどうやったって、見えるし。うーむ。下に、もう一枚着たところで清涼感は損なわれるし。どうしよう。困り果てた私は、店の姉ちゃんに聞いてみた。すると。
「ノープロブレーム!!」
だそうな。彼女曰く、「ブラなんて良いわよ。乳首透けてたって関係ないっ!だってNYはファッキンホットだから。トップレスだっていいくらいよっ。」
うーむ。やはりそうきたか。でもな。ノーブラな。かなり抵抗だよな。 思い悩んではみたものの、この暑さを考えるとそれも致し方ないか。うむ。郷に入っては郷に従え。明日は、このタンクトップで行きましょ。ハイ15ドル。ちーんっ。
そして次の日の朝。私は、いまだ鏡の前で悩んでいた。どうしても、気になるのよ。バンソコをはってみた。したら、バンソコが透けて間抜けすぎた。うおーっ、ここはいっちょ頑張ってアメリカンガールになるべし!
そんなこんなで一応、ノーブラで行ってはみたものの、やはり気になる! まあ、セットの姉ちゃん達みんなほとんどノーブラなんだけどさ。これは、トラウマってやつなんすかね。その日は正常ではとても仕事なんて出来なかったさ。
でも、その後すごく嫌なことがあったんだ。スタッフの中のある男にいきなり「そんな、セクシーな格好してさそってんの?」みたいなことを言われたのよ。
「ナンでよ。みんなノーブラじゃん。なんで私だけそんなこといわれなあかんの?」と言うと 「だって、ジャパニーズはエロチックじゃん。若いし」
だとよ!! 死ねー!!馬鹿おとこー!でしょ?
自国の女はノーブラで良し。でもアジアンがノーブラだと誘ってるって。それは完璧人種差別だろオヤジ。くううってきたけど、その人は私よりも偉いしさ、何も言えないわけさ。くやしいね。まったく。
でもそれが、反動になって私はノーブラでもお構いなしになったよ。けっ。うるさいんじゃー。わしゃノーブラでいいんじゃー! と文太の様に反骨ばりばりよ。だから、それから毎日毎日ほかのクルーの姉ちゃん達みたいに、ノーブラTシャツをどうどうと着ていくようになったオイラ。そのうち、ヤツもなれてきてそのことには全然触れなくなったし、前のようなエロじじいさも無くなって最後には普通のダチ公になれました。
これこそ、裸のつきあいってヤツだね。うむうむ。
最近カムイにおっぱいをやりながら思うのはきっと男達は、好ける乳首にかつて自分たちが吸っていたマミイのおっぱいをデジャブるのではないかと。
男の子は、おっぱい離れ遅いって言うし。カムイですら、ちょっとちらりとおっぱいが見えただけど、しゃかしゃか飛びついて来るしさ。そうおもやあ、可愛いもんじゃないの。ってちがうか。
でもほんとに、ノーブラって楽。あの締めつけんのがないってもうサイコー!一度はおいでノーブラ天国。
渋谷の若い子達も露出度高い割には、やはりブラは付けてますからね。日本もいつかは、ノーブラでどうどうと歩ける国になって欲しいもんだと(どんな国だ?)切に願う私なのでありました。
ま、そのためにはもっと男達が乳離れしなけりゃなあ。
次週につづく
お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!
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