森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
腹がへったー。腹が!!!!
バカモデルリッチーのせいで、マリブの酒池肉林を逃し、しかも金もなく餓死寸前の私は食える魚を求めマリブの海岸をうろうろ。
洋服じゃあ、なにもできんと車内で酒池肉林用にもってきた水着に着替えた。
「オッ。マホ焼くのー? せっかくここまで来たもんな。いいねえ。俺もやこっかなー」
普段から、葉っぱばっかり食って体ばっか鍛えてるへなちょこモデルはこれだからいやだわ。人間飯くわねーと生きてけないんじゃボケー!
こうして私は、戦闘態勢にはいった。
浜から、3メートルほどはいると魚も見える。さっすが、リゾートマリブ!!よおしとったるでー。お魚ちゃん。私の中では、くし刺しになって焦げ目がついたお魚ちゃんをぱくつく姿がポワンと浮かんでおりました。
でも、実際トビ道具なんてもってないし。手づかみしかない。でも私、イワナのつかみ取り結構得意だし、いけるかも。おりゃっ。おりゃっ。と、手をずぼっと刺して魚をしとめようとした私だけど、海女でもないしもちろん出来るわきゃないわけさ。
「うおーーーーーっ。くそおおおおー!」
と、絶叫しながら暴れる私を、リッチー達はかなりのあきれ顔で見ている。ふんカッコつけ人間め。何とでも言えよー。あーあ、もうだめだ。アメリカの魚ははえーわ。とあきらめかけたその時!!
岩場に光るみなれた物体が!
あ、あれはもしや。アノ栗のようなイガイガしたのはもしや!
ウニじゃないのー!
きゃああああ! すげー。すげー。ウニだウニだ。私の心はもう有頂天。こんなところでウニに出会うとは。しかもごろごろ転がってんよー。サイコー!
早速ばしゃばしゃと、走っていってまずは一個ウニをつまみあげた。あれ?これってどうやって食うんだっけ? そういえば、修学旅行で沖縄行ったとき、ウニ食ってた男の子いたなあ。あの時は気持ち悪がってたけど、まさか私が食うことになるとはね。
でも、日本酒のCMで誰かが漁師とウニ食ってたものね。
よっしゃ、解体するぞー。でも、ウニって超手ごわい。なんつってもトゲがすごい、マジで痛いし、怖いし。とりあえず、その辺から石を拾ってきて、こんこんやってはみたけど全然ダメ。うーむ。
いろいろ考えた結果、コンクリの上に平べったい岩をおいてその上から足で踏むという方法を見いだした私。実践してみるとあれま、これがなかなか良い感じでぐしゃっと割れた。しかも、中身に支障なし。よし。これをスプーンで、、と思ったけどスプーンないし、手でつまんで食ってみた。
「う、うんまーーーーーーーーーーーーーい!」
あのね、みんななんだかんだ言うかもだけど、わたしゃあんなにうまいウニ食ったの生まれて初めてだよ。醤油不要! 海水でサイコー!
超うまい!
すっかり味を占めた私は、次から次へと、ウニを拾っては割り、チュルチュルと指でつまんでくいつづけた。そんな私を、リッチなアメ公共の冷たい視線が突き刺さる。ちっなんだよ。ほっといてくれよ。なんて逆切れして、ガンを飛ばしながらなおも食い続けていると見かねた、リッチーが止めに来た。
「まほー。みんな見てるからさー。一体なにして…ってお前何食ってんだー!!!おええええええ」
生のウニってもんをはじめてみたリッチーは顔面蒼白。むしろ失神寸前。
私は多量のウニの殻を残して、そのままリッチーにズルズルひきずられていった。
酒池肉林は逃したけど、アメリカンウニのうまさを知った私は、次はどこの浜辺に行ってやろうかと帰りの車でほくそ笑んでいたのでありました。
注)ウニね。マジでマジでおいしかったけど、案の定腹を壊しました。だから、良い子の皆さんはマネしないようにね。ホントに死にかけたときだけにしよう。
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