ホワイトハウス・ダウン (2013):映画短評
ホワイトハウス・ダウン (2013)相棒は大統領(笑)! 最強のバディムービー誕生
先に公開された『エンド・オブ・ホワイトハウス』同様、テロリストに襲撃を受けたホワイトハウスから米大統領を救出する話かと思った。だが違った。大統領と議会警官がタッグを組むとは! なのでテロリストも容赦なく大統領にバズーカを向け、息の根を止めようがおかまいなし。政府首脳陣も大統領の安否が分からないとなれば、とっとと新大統領を任命する。笑っちゃうほど大統領の存在が軽い映画も珍しい。現にオバマ米大統領の支持率は下降気味だ。映画が世相を反映するならば、米国民の大統領への忠誠心の薄さを垣間見るかのようだ。
対するテロリストもすちゃらかで、アホに武器を持たすといかに危険かを破壊王エメリッヒ監督が存分に見せてくれる。そもそも本作で米大統領が狙われるのは、中東からの米軍撤退宣言が発端で、軍需産業で私腹を肥やしていた輩の反感を買う。我が国のリーダーは真逆の方向に突き進んでいるが、まさにその理由を暗示するかのようだ。大味過ぎて伝わりにくいが、実は辛辣な社会風刺劇なのだ。