リアル~完全なる首長竜の日~ (2013):映画短評
リアル~完全なる首長竜の日~ (2013)原作モノだが、しれっと大胆に黒沢清流
原作と全く異なり驚いた。いや、厳密には、主人公の名前や職業、“センシング“という昏睡状態にいる患者の意識下に入る医療行為を使ったミステリーという設定は同じ。だが姉弟の関係を恋人に変えてラブストーリーをメーンに、仮想現実の世界を大胆に変更。主人公淳美をホラー漫画作家にしたことから惨殺死体の幻覚が見えたり、首長竜が大暴れしたり、無駄に怖いのなんの。でも、いいのだ。本作はセンシングの世界が中心。何を創造して映像化しようが自由じゃないか! 漫画や小説原作の映画化が当たり前となった昨今、そんな映画人の矜持を見せつけられたよう。世界のクロサワの仕事ぶりにアッパレ!
この短評にはネタバレを含んでいます