Start Line (2016):映画短評
Start Line (2016)脱・感動ポルノ
監督は耳が不自由だ。
そんな自分たちが健聴者とコミュニケーションを取ることがいかに難しいか。
それを伝える為に本作に挑んだという。
だが、監督と伴走者の晢さんとの日本縦断自転車旅は、観客に性別とか障害を忘れさせる程のパンチ力を放つ。
過酷過ぎる旅は人間の本性を露わにさせ、本音と本音が飛び交うガチンコ・バトルが勃発。
その珍道中は、平野勝之監督『由美香』(1997)を彷彿とさせる”笑撃”に満ちている。
そして監督は、コミュニケーションのしづらさは自分の中にもある偏見も要因であることに気づくいていく。
優れた旅映画は、出演者と観客の両方を成長させてくれるのだ。
この短評にはネタバレを含んでいます