GODZILLA 決戦機動増殖都市 (2018):映画短評
GODZILLA 決戦機動増殖都市 (2018)メカゴジラの変容は斬新だが、視覚化に成功したとは言い難い
既存キャラの新設定とヘヴィな世界観で、スクリーンに惹き付ける力は十分だ。怪獣映画の醍醐味である都市破壊を、原初の世界に戻った2万年後では観られないと思いきや、メカゴジラの意外すぎる変容増殖は、そのニーズにも応える斬新なものだ。だがそうした設定の視覚化は、アニメならではのカタルシスを得られるものではなく、残念。ただし、人智を超えたゴジラに対峙し葬り去るには、“人ならざるもの”にならねばならないという主人公に課せられた命題は、非常時に強大な敵に立ち向かう際の「特攻」というこの国の過去のむごい選択に批評性を与えつつ、複数怪獣が入り乱れるであろう地球規模の次回完結編へ期待を持たせる。
この短評にはネタバレを含んでいます