千里眼(CICADA) (2014):映画短評
千里眼(CICADA) (2014)日米スタッフで描いた日本の大人たちの今
松岡圭祐原作の同名映画(2000)のようなサイコ・サスペンスか?と想像してしまう。
英題がさらに謎を深めるCICADA(蝉)。
混乱を来すタイトルで損をしていると思うのだが、様々な悩みを抱えて生きる人々を真摯に、かつユーモアを交えて描いた見応えのある人間ドラマである。
無精子症が発覚し結婚に踏み切れない男、子のイジメ問題に悩む母、独居老人の孤独とありがちに思える題材を、脚本と味のある俳優陣の演技で生身の人間の痛みとして描いている。
ただちょっとエピソードは盛り込み過ぎだが。
特筆すべきは米国の大学の授業の一環で製作されており、時間をかけたであろうポスプロは日本の自主映画も参考にすべき点だろう。
この短評にはネタバレを含んでいます