大和(カリフォルニア) (2016):映画短評
大和(カリフォルニア) (2016)韓英恵の魂の演技を見よ!
舞台は神奈川県大和市。
厚木基地の航空機音が響くこの町で、主人公サクラは常に不機嫌だ。
何者にもなれない苛立ちや退屈な日常への鬱憤を周囲当たり散らしながら、無駄に地元を徘徊する。
かといって、電車に乗って都心に出る勇気もない。
そんなやさぐれ女を、韓英恵が内に篭っていたエネルギーを暴発させるが如く全力で演じる。
ここまで己の感情をさらけ出しながら、カメラの前に立っている女優を邦画で見るのは久々だ。
そして映画はラップが生きがいのサクラが、自分の言葉を見つけるまでを描く。
地方都市に住む若者の葛藤+ラップの相性の良さよ。
『SR サイタマノラッパー』に続くヒップホップ映画の秀作の誕生である。
この短評にはネタバレを含んでいます