ゆうやけ子どもクラブ! (2019):映画短評
ゆうやけ子どもクラブ! (2019)教育の本来あるべき姿を写し出す
相模原殺傷事件や生産性に人間の価値を求めることを平然と言ってしまう政治家が出現したことへの怒りか。伊勢真一監督『えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋』など障害をテーマにした作品が目立つ。見つめるのは彼らの個性。その魅力を開花させている人たちを本作は追う。遊びなどを通して彼らの行動に寄り添い、内面世界を観察し、得意分野を羽ばたかせる。人を育てる教育とは、本来こうあるべきなのではないかと考えさせられる。しかしご多分に漏れず、今の日本は真摯に活動している人たちが報われる社会ではない。法改正により施設存続の危機も描かれる。この場がいかに重要か。撮影を快諾した施設利用者たちの切なる思いが滲み出ている。
この短評にはネタバレを含んでいます