レディ・トゥ・レディ (2020):映画短評
レディ・トゥ・レディ (2020)『Shall we ダンス?』のその先へ
日本映画では珍しく時代を先取りしてる。冴えない人生を送っている主人公が競技ダンスに挑んで前向きになるという展開は『Shall we ダンス?』と同じ。さらに本作は男女の賞を撤廃することを決めた映画祭や、履歴書からも性別欄が無くなるという性に対する固定観念が大きく変化している今、その問題に切り込む。しかも”紳士淑女のコロシアム”という本のタイトルにもなっている競技ダンスで問うとは大胆な。伝統か?変化か?悩ましきテーマだが、大塚千弘&内田慈のダンスが美しく、これも有り!と観客を納得させてしまうに違いない。明言多き脚本が良い。熟年世代には「人生で残った式って、葬式ぐらいでしょ」が胸に刺さった。
この短評にはネタバレを含んでいます