99%、いつも曇り (2023):映画短評
99%、いつも曇り (2023)こんな映画を待っていた!
アスペルガー症候群かもしれない監督が、実体験を投影しつつ、何かと”普通”を求められる社会で七転八倒する主人公を自ら好演。彼女を取り巻く人々も、様々なバックボーンを持った俳優たちがありのままの姿で出演している。多様性が求められる時代に、映画やドラマのキャスティングが旧態依然の日本において、国際基準の感覚を持った作品の誕生を心から歓迎したい。もっともマイノリティーの話かと思いきや、彼らが抱えている生きづらさや、人間関係のややこしさといった問題は普遍的であることに気付かされるだろう。その上で本作はより良き社会になるための一つの可能性を示す。殺伐としたこの時代、まさにこんな映画を待っていた。
この短評にはネタバレを含んでいます