『ダ・ヴィンチ・コード』日本のマスコミに初披露
17日、日本のマスコミ向けに、今年一番の話題作『ダ・ヴィンチ・コード』の試写が行われた。17日と18日に分けて実施されるマスコミ向けの披露試写は、この日7割がたの着席状態。30分のダイジェスト版が公開されたとき、まるで空港のように厳しかったセキュリティ・チェックも今回はなかった。
一足早くカンヌ国際映画祭で上映された本作は、現地から辛口の批評も届いていたが、本作のテーマが「宗教」を軸にしていることもあり、日本での反応は未知数でもあった。
なんといっても監督は、あのアカデミー賞映画『ビューティフル・マインド』や『シンデレラマン』の監督、ロン・ハワードだけに期待が高まる。600ページにもおよぶ原作本をどのように2時間30分に収めるかは監督の力量が問われる。そういった点ではだれもが信頼を寄せている監督だ。
もちろん、行儀のいい日本人だけに海外のように上映中にヤジを飛ばす観客はおらず、2時間30分、静かに観賞した日本のマスコミだが、やはりその感想はさまざま。
原作を読んでいる派から見ると、活字から想像していた美術品が本物になってビジュアルとして見られることは十分興味深く、物語の流れを原作に忠実に追っているだけに、原作のイメージを損なうということはなかったようだ。
ただ、2時間30分の中では原作での細かい描写を映像で表現せざるを得ない部分が多く、その点は原作を読んでいない人には理解できるのか疑問だという声も聞こえた。
一方、原作を読んでいない派は、どの部分の表現がはしょられたのかなどは気付く訳もなく、逆に、セリフにより組織や人間関係を説明する部分が多いので、気が抜けない。英語が理解できないと字幕を必死に追い続けねばならず、美しい美術品や暗号の意味を一緒に考えるヒマがないのが残念だという声が聞こえた。
確かに、本物のルーブル美術館で撮影された数々の美術品や歴史的建造物などをDVDになった曉には、たびたびリモコンのストップボタンを押しながら観てみたいと思う人も多いだろう。
原作が大ベストセラーだけに、映像化についてはさまざまな意見が飛び交うことは当然のこと。また、映画の感想というのは育った環境や、いま置かれている状況によって人それぞれだ。他人の感想にまどわされず、ぜひ、自分の目で本作の内容を確認してほしい。
『ダ・ヴィンチ・コード』は5月20日より、日劇1ほか全国で公開。
『ダ・ヴィンチ・コード』公式サイトsonypictures.jp