市川崑の情熱伝わった!『犬神家の一族』が感動の舞台あいさつ
市川崑監督が、30年ぶりにリメイクしたことで話題を呼んでいる『犬神家の一族』が16日、公開初日を迎え六本木のTOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台あいさつを行った。
初回上映後に、金田一耕助役の石坂浩二を始め、松嶋菜々子、富司純子、松坂慶子、萬田久子、奥菜惠、深田恭子、そして監督の市川崑が登場すると、客席からは「最高!」「良かったよ!」と作品の感想が飛び交い、あたたかい拍手に迎えられた一同からは笑顔がこぼれた。
『犬神家の一族』は、遺産を巡り犬神家の3姉妹である松子(富司)、竹子(松坂)、梅子(萬田)の3姉妹が中心となっておぞましい争いを繰り広げるストーリー。しかし現場では歌舞伎座に出演している尾上菊之助の実母でもあり、映画でも親子役を演じた富司純子が、「3姉妹じゃなくて、“3ババ”って言われないようにしようね……」と話し3姉妹を演じた、松坂慶子と萬田久子をまとめていたそう。
この日の舞台あいさつでは金田一こと石坂浩二がそんな3姉妹の秘密を暴露。「この3姉妹の現場での話と言えば、“エステ”のことばかり。皆さん、どこのエステがいいとか、そんなことを話しては、どうにか“3ババ”から抜け出すために必死のようでしたよ」と話し、会場の笑いを誘った。
1948年に、初めてメガホンを握ってから50年以上がたった市川監督。映画を“写真”と呼びつづける市川監督には、いつでも映画への大きな愛情があふれている。市川崑との仕事という大役にガチガチになっていたキャストに「余裕を持って楽しみなさい。それが映画の極意です」と声を掛けた市川監督の最新作『犬神家の一族』には、“写真”を愛するスタッフ、役者、監督の情熱がこめられている。
この日、会場に沸き起こった拍手と歓声で、映画に込められた情熱が伝わったことは明らかだった。そんな観客の姿に、顔をほころばせた市川監督は、映画の象徴的なキャラクターであるゴムマスクを被った犬神佐清に車椅子を押されて登場。「これからが、つらいときなのです」と話し、「ああすればよかった、あのシーンを撮り直したい……そんな思いとこれから戦わなければいけませんので、辛抱の時期になると思います」と映画を愛しつづける“巨匠”らしいあいさつに観客からは大きな拍手が贈られた。
『犬神家の一族』はTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国東宝系にて公開中。
『犬神家の一族』公式サイト<www.inugamike.com>