藤岡 弘、仮面ライダーで生死の境をさまよった秘話語る
6月16日に公開される『ハリウッドランド』は、スーパーマンを演じた男の悲劇を描いた人間ドラマ。6日に行われた同作のイベント試写では、同じヒーローつながりで、仮面ライダー1号に変身する本郷猛(ほんごう たけし)を演じた藤岡 弘、が登壇し、ヒーローにならなければいけなかった俳優の葛藤(かっとう)について心中を告白した。
一世を風靡した仮面ライダーは、まさに日本のスーパーヒーロー。そのヒーローを演じたことについては、「新しい方面で自分を試せるチャンスで、(出演の話が来たときは)とてもうれしかった。と同時に、スタント無しという高いハードルの中で大きな不安も感じた」と当時を振り返る藤岡。
「仮面に入ると視界も悪いし、窮屈で、こんなに大変だとは思わなかった。10本目の撮影中に、二輪車でコーナーを曲がり損ね、30メートル先へ飛ばされたことがあった。生死をさまようほどの大きな事故で、リハビリも大変でした。当時25歳の僕にとっては、すごくショックな出来事でしたが、復帰後の視聴率は40パーセントだったんですよ」と語った。
また、歩いていると子どもたちに囲まれ「変身してよ!」と迫られるのも悩みのタネだったとか。「ショッカーがいないと変身出来ないんだよ」と断っていたそうだ。
『ハリウッドランド』に描かれる悲劇の俳優については「自分もヒーローから俳優として高く野心を持とうとして少し葛藤(かっとう)したこともあったが、自分自身もハリウッド出演の経験から感じたが、日本とは違う、競争社会の厳しさがあったのだろう」と語った。
そして、映画の公開日と同じ6月16日のジョージ・リーブスの命日を前に「リーブスは(ハリウッドランドの主役)限界を感じていたのだと思うが、自分と自分の信念を信じて、もっと生きて欲しかった」とリーブスの写真に向かって合掌を捧げた。藤岡の誠実な人柄が垣間見えたイベントだった。
『ハリウッドランド』は6月6日より日比谷シャンテ・シネほか全国順次公開
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