下ネタ満載! 飛行機に、ゾンビやヘビ! このバカ映画を見逃すな!
日本は“バカ映画”に冷たい。バカ映画=駄作ではない。製作者がものすごく一生懸命に作っているのが見え隠れする映画なのに、物語の核となる部分が、一般常識の道筋から完全にハズれちゃってる映画を“バカ映画”とここでは定義する。
このバカ映画は、日本では当たりにくいようで、ビデオスルーが当たり前だった。最近ではDVD化さえままならない。洋画大作の一極集中的な売り方や日本映画バブルなど理由はいろいろ考えられるが、冷遇されていることは確か。くだらない、下品と決め付け、食わず嫌いの観客も多い。
旅客機内の毒ヘビ・パニックがバカらしいなら、蜘蛛に刺されてヒーローに変身したり、イカ面のバケモノと海賊が戦ったりするのだって同じことと考えるのは乱暴だろうか。バカ映画は、心をオープンにして鑑賞すると心から楽しめるのだ。
最近、日本で公開された中でおバカ映画筆頭は、なんといっても『スネーク・フライト』。護送中の裁判の証人を殺すために、マフィアが旅客機内に送り込んだ刺客は無数の毒ヘビ! 機内を混乱させて機を墜落させるというもくろみは、ほかの乗客には迷惑な話だが、パニック映画としては大歓迎のシチュエーション。サミュエル・L・ジャクソンのシリアスな演技もおバカ映画の神髄だ。
また、間もなく公開になる映画『アドレナリン』もバカ映画の王道。アドレナリンを出し続けないと死んでしまうという、毒薬を射たれてしまった殺し屋。そんなワンアイデアだけで面白さは保障されたようなもの。自分を興奮させるためにドラッグをキメるだけでなく、カーラジオの音楽に合わせて無理矢理ヘッドバンギングしたり、むやみに他人にケンカを売ったり、チャイナタウンのド真ん中で恋人とエッチしたり、アドレナリンを出し続ける。
『トランスポーター』シリーズのジェイソン・ステイサムが大まじめに演じているところはポイントが高い。
また、未公開映画では、飛行機の貨物室に持ち込まれた、ウイルスによってゾンビ化した屍が人間を襲い出して飛行機がパニックにおちいる『デッド・フライト』やウィル・フェレルふんする天才的ナスカー・レーサーの栄光と挫折というスポ根ドラマの定番的展開にギャグを盛り込んだ『タレデガ・ナイトオーバルの狼』も必見。主人公の、好調時はムチャクチャいい気分になり、不調時になると泣きわめくという幼児的キャラになるところが見どころだ。
このバカ映画を見逃すな!
cinematoday.jp
『アドレナリン』オフィシャルサイト
adrenaline-movie.com