ジブリのフリーペーパー「ゲドを読む。」110万部の効果は?
7月4日、ジブリの大ヒット作『ゲド戦記』のDVDが発売された。「『ゲド戦記』を観よう!」ではなく、「ゲドを読む。」で展開されたユニークなプロモーションでは、110万部の「ゲドを読む。」がフリーペーパーとして配布された。
208ページもの文字ばかりの「ゲドを読む。」の文庫本は、活字離れをしていると言われている世代にどう受け入れられたのか。
実は早くから、全国の設置店では在庫切れになり、「ゲドを読む。」を探して設置店を渡り歩いた人たちも多かった。設置したその日になくなってしまった所も多く、7月4日のDVD発売を前に、全国の設置店のほぼ全店で在庫はなくなったらしい。
意外なのが、活字離れが進んでいると言われている若い世代が、内容をしっかりと読んでいることだ。中には「もっと軽い本だと思ってたら、文字がいっぱいじゃないっすか!」と活字に拒否反応を示す学生もいたが、「ゲドってこんなに奥深かったんだ……。もう一回映画を観ると、また違う印象を受けそうですね!」とコメントを寄せる20代の会社員を始め、「いろいろな視点から見た“ゲド”の世界が書いてあり、とてもおもしろかった」と、「ゲドを読む。」を読んだ人々の感想は好評だった。
映像である映画『ゲド戦記』のプロモーションとして配布された活字の「ゲドを読む。」。一見、逆行するようだが、映画『ゲド戦記』の描いた世界は「ゲド戦記」という壮大なファンタジー小説の一部であり、原作の世界観の理解を広めることで、映画『ゲド戦記』を観る楽しさが倍増する。そう読んだジブリの戦略は十分に練られたもので、正しかったのかもしれない。それが果たして、ビジネスとして成功だったかどうかはDVDの売り上げによってはっきりするだろう。
『ゲド戦記』DVD通常版は価格4,700円にて発売中
「ゲドを読む。」オフィシャルサイト
club.buenavista.jp
原作「ゲド戦記」を熱く語れ
cinematoday.jp