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20年ぶりにデビュー作が公開されるガス・ヴァン・サントを直撃!

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ポートランドの中心地にある、元はロープ工場だったという広いロフト風のオフィスでインタビューに応じるガス・ヴァン・サント
ポートランドの中心地にある、元はロープ工場だったという広いロフト風のオフィスでインタビューに応じるガス・ヴァン・サント - (C)WISEPOLICY

 コロンバイン高校銃撃事件を題材にした『エレファント』や、カート・コバーンを彷彿(ほうふつ)とさせるミュージシャンの最期の日々を描いた『ラストデイズ』など衝撃作を発表し続けている映画監督、ガス・ヴァン・サント。彼を映画の道へ導いた処女作が、20年の時を経て公開されることになり、当時を回想してもらった。

 ガス・ヴァン・サント自身が高校生活を送ったオレゴン州ポートランドを舞台に、食料品店で働く男と、メキシコから移民してきた青年のはかなくも美しい恋が描かれる。『マラノーチェ』は、全く無名の監督が作った映画ながら各地の映画祭では賞賛を浴びた。だが、モノクロのゲイフィルムということで劇場公開には至らなかった。

 「20年前の映画について今さら質問されるのは、決して変な気分じゃないよ。去年のカンヌ映画祭で上映されて以来、この1年間『マラノーチェ』のことをいろいろ考えて来たからね。それに、これは、まぎれもない僕の処女作で、今の僕があるのはこの映画のおかげだから」

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 この作品は、ポートランドのビートニク作家、ウォルト・カーティスの自伝的要素を含む小説が原作となっている。美大を卒業した後に、NYやLAで映像関係の仕事をしていたガス・ヴァン・サントは、音声技師をしているときに出演者だったカーティスに出会ったのだそうだ。

 「ウォルトは地元では有名だったし、小説の存在も知っていた。でも、『マラノーチェ』が映画にふさわしいかもしれないなんて思い始めたのは、ウォルトと実際に知り合ってからだ。それまで短編映画を監督したことはあったけれど、長編は全く勝手が違った。最初は全てのシーンの絵コンテを描いていて、それだけですごく長い時間を費やしてしまった」

 「予算がなかったので仕方なくモノクロで撮影した」と説明するが、今でも十分通用するスタイリッシュな映像と、職業俳優ではない役者を抜擢するところ(実際に『マラノーチェ』に出演している役者たちはその後別の職業に就いている)は、20年前から健在だったのだ。その後ガス・ヴァン・サントは多くの名作を世に生み落とすわけだが、彼にとってこの20年間とはどんなものだったのだろうか。

 「この20年が何だったのか、ただ闇雲に映画を作り続けていただけかもしれない。そして、これからの20年間も同じように過ぎて行くんだろうな。まだ映画に飽きていないから、作り続けていくことだけは確かだよ」(インタビュアー:平井伊都子)

『マラノーチェ』オフィシャルサイト
wisepolicy.com

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