アメリカで大ヒット!スピルバーグが大絶賛したストリート・ミュージシャンの映画
今夏アメリカで公開され、批評家や映画ファンから大絶賛を浴びロングラン・ヒットとなった作品が、『ONCE ダブリンの街角で』だ。主演を務めるのは、アイルランドで国民的な人気を誇るロックバンド、ザ・フレイムスのフロントマンであるグレン・ハンサードと、チェコ出身の19歳のシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ。本業は俳優ではなくミュージシャンというこの2人に、話を聞いた。
18歳の年齢差があるグレンとマルケタの2人だが、実は昔からの知り合いだったという。その出会いについてマルケタは、「6年前に、わたしの父がチェコで音楽フェスティバルのプロモーターをしていて、そのときにグレンと初めて会ったの。それ以来仲良くなって、2人で一緒に曲作りをしたりしながら、家族ぐるみで付き合ってきたわ」とあどけない表情で話してくれた。そんな2人は、この作品での共演を機に交際し、インタビュー中も終始仲むつまじい様子だった。
映画に出たことで何か変わったかという質問にグレンは、「映画が公開される前は、道を歩いていてもほとんど誰にも気付かれることはなかったんだ。でも映画がヒットしてからは、ニューヨークの街を数ブロック歩くだけで、20人ぐらいの人に声をかけられるようなことがあって、すごく驚いたね。もちろん、有名になりたいということを心のどこかで望んでいたことなのだけど、あまりにも急激な変化で戸惑っているし、どこが居心地の悪さを感じてるんだ……」と率直に今の心境を語ってくれた。
この映画の魅力についてグレンは、「低予算でも、本当にいい映画が作れるんだということを証明できたんじゃないかな。シンプルなんだけど、革新的な手法で撮られた新しい映画だと思うよ」と力強く語ってくれた。この作品で描かれる、心に染みる優しく美しいメロディとともに奏でられる2人の愛のハーモニーに、観た人はきっと心癒されるだろう。
『ONCE ダブリンの街角で』は、あのスティーヴン・スピルバーグに「今年一番の素晴らしいインスピレーションを与えてくれた」と言わしめた作品。アイルランドのダブリンの街角で出会ったストリート・ミュージシャンの男性と、移民の女性ピアニストが音楽をコラボレートしながら心を通わせていくという、ハート・ウォーミングな感動作。(取材:Masato Kobayashi シネマトゥデイ)
『ONCE ダブリンの街角で』は11月3日より渋谷シネ・アミューズほかにて全国公開
オフィシャルサイトoncethemovie.jp