ゆうばり映画祭閉幕、グランプリは派遣でバイトする女性監督!
北海道夕張市の財政問題の影響を受け、市運営の開催が中止される中、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会を筆頭にさまざまな企業の協力を経て、2年ぶりに開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008」が23日にクロージングを迎えた。
そのクロージング・セレモニーで、映画『眉山 -びざん-』の犬童一心監督が審査員を務めるファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門の受賞作が発表され、応募総数256本の中から井上都紀監督による映画『大地を叩く女』がグランプリに選ばれた。
登壇前からすでに感極まって涙があふれていた井上監督は、「普段は派遣のアルバイトをしているので、年齢的にも映画制作を続けていこうかどうか悩んでいた。このコンペに賭けていたので本当にうれしい」と語った。審査員の犬童監督に「文句なしで全員の審査員の意見が一致していた。滝に打たれた感覚」と言わしめた作品だけに、副賞として与えられた次回作の製作支援費がどう化けていくのか、井上監督の今後が大変期待される受賞となった。そのほかには、吉田浩太監督の映画『お姉ちゃん、弟といく』が審査員特別賞、糸曾賢志監督の映画『セイキロスさんとわたし』が北海道知事賞を受賞した。
事務局によると、今回の観客動員数は8,868人。また、北海道内外からのボランティア協力は約500人にも及んだという。全国各地の人々の手で一つ一つ作られた今回の映画祭。極寒の地の温もりのある映画祭として、今後も息の長い開催を続けてほしいものだ。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 オフィシャルサイト yubarifanta.com