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ジョニー・デップに部屋を提供していたならず者ジャーナリストに迫るアレックス・ギブニー

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実力派、アレックス・ギブニー監督
実力派、アレックス・ギブニー監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki

 アメリカ軍刑務所で行われた受刑者への拷問と無期限拘留などの実態を告発した映画『「闇」へ』で、アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞したアレックス・ギブニー監督が、新作映画『ゴンゾ:ザ・ライフ・アンド・ワーク・オブ・ドクター・ハンター・S・トンプソン』(原題)について語ってくれた。本作は、映画『ラスベガスをやっつけろ』の原作者と知られ、ならず者ジャーナリストと呼ばれた伝説的人物、ハンター・S・トンプソンの実像に迫ったドキュメンタリー作品だ。

‐あなたはハンターを個人的に知っていたのでしょうか?

(アレックス・ギブニー)いいや、彼とはまったく面識がないよ。もちろん小説や記事やうわさなどでは知っていたけどね。ハンターの記事を読みながら、彼の破天荒ぶりを追いかけていたこともあった。ドキュメンタリーを作ろうと思ったきっかけは、根本的なジャーナリズムの形態を無視し、権力に立ち向かって物事を掘り下げていくハンターの姿勢はとても面白く、今日のジャーナリズムにも必要だと感じたからなんだ。

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‐ハンターとはどんな人物なのでしょうか?

(アレックス・ギブニー)偉大な人物だよ。特に1965年から1975年の間に書かれた彼の書物には、怒りとユーモアが混沌(こんとん)としていて、素晴らしいものになっているんだ。彼は言葉をたくみに操る文学の達人でもあり、今日のブロガーの先駆者といえる側面も持っている。そもそも「ローリング・ストーン」という雑誌は、ハンターが書いていた時代は完全なるアンダーグラウンド雑誌だったんだよ。それなのに今じゃ国民的雑誌じゃないか。

ジョニー・デップが声の出演をしていますが、彼とハンターはかなり親しかったそうですね。ジョニーから何かアドバイスはありましたか?

(アレックス・ギブニー)ジョニーとの仕事はわずかな期間だったが、素晴らしいものだったよ。残念だったのは、ゆとりを持って製作することができなかったことだね。ジョニーはハンターをかなり尊敬しているんだ。ハンターもジョニーを気に入っていたようで、ハンターの家の地下には、“ジョニーの部屋”という場所があって、『ラスベガスをやっつけろ』の撮影の前にジョニーは実際にそこで生活していたらしい!

 本作にはトム・ウルフや「ローリング・ストーン」誌の創始者であるジャン・ウェナーをはじめ、各界の顔が出演する力作となっている。もちろんハンターを語るのに欠かせない麻薬や酒、銃についてもたっぷりと触れられている。(取材・文:細木信宏)

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