オスカー女優ジェニファー・コネリーにインタビュー!二児の母にとって切実な『帰らない日々』
映画『ビューティフル・マインド』で2001年にアカデミー賞助演女優賞を受賞し、絶世の美少女から演技派へと変ぼうを遂げたジェニファー・コネリーが新作映画『帰らない日々』について語った。本作は批評家に絶賛されたジョン・バーナム・シュワルツによる小説をベースとした人間ドラマだ。
監督は映画『父の祈りを』の脚本家であり、映画『ホテル・ルワンダ』の監督としても知られるテリー・ジョージ。息子をひき逃げ事故で失い、復讐(ふくしゅう)に燃えるイーサン(ホアキン・フェニックス)と、加害者であり、父親でもあるドワイト(マーク・ラファロ)の苦悩を描いていく。ジェニファーは被害者の妻を繊細(せんさい)に、時に激しく演じ、女優としての新たな境地を見せている。
普段の役作りでは私生活と役柄はきっちりと分け、演じるときには没頭し、それ以外ではキャラクターの影響を受けることはないというジェニファーだが、本作で一番苦労した点は「キャラクターに影響を受けないようにすること」だったそうだ。2児の母親でもあるジェニファーにとって本作のテーマは切実であり、撮影中に感情が爆発してしまいそうになったことも一度や二度ではないと語る。
そこまでジェニファーを追い詰めた脚本はテリー監督と原作者のジョンによって執筆されたもので、一読しただけで彼女を魅了してしまった。「ほかに類をみない、素晴らしい脚本だと思ったの。復讐(ふくしゅう)に走ってしまう主人公の気持ちにも引き込まれてしまったし、サスペンス・タッチの捜査劇に転じながら、忘れ去ることのできない喪失感と向き合う人間の姿にも心を奪われたわ」とジェニファーは絶賛する。
イーサンを演じたホアキンとジェニファーの演技合戦は見事で、愛する息子を失った悲しさは同じはずなのに、近過ぎるがゆえに向き合うことのできない夫婦の姿がリアルに表現されている。ドラマは衝撃の結末を迎えるのだが、ジェニファーの重量感ある演技が本作の重要な鍵になっていることは間違いないだろう。
映画『帰らない日々』は7月26日よりシャンテ シネほかにて全国公開