ミシェル・ゴンドリー監督にインタビュー!「無理矢理交渉して加瀬亮を出演させた」
3話からなるオムニバス映画『TOKYO!』で藤谷文子と加瀬亮を主演に迎えたミシェル・ゴンドリー監督に話を聞いた。本作はゴンドリー監督のほか、レオス・カラックス監督、ポン・ジュノ監督といった世界的に評価の高い監督たちが、東京を舞台にそれぞれ自由な発想でストーリーを作りあげた話題作だ。
原作者であり共同脚本のガブリエル・ベル以外はスタッフ、キャスト共に日本人で制作したゴンドリー監督は日本人クルーを絶賛。「彼らはものをはっきり言わず、最初はなかなか親しくなれないと思っていた。でもそれは相手に敬意を払って、気持をなるべく理解しようという思いやりからスタートしている。映画作りへの熱意もすごく伝わってきたよ。また彼らと仕事がしたいね!」と日本人との共同作業に大変満足している様子だった。
また藤谷演じるヒロインの恋人であり、映画監督を志す青年を演じる加瀬は、当初は出番の少ない脇役を希望していたそうなのだが、ゴンドリー監督は加瀬を一目見た瞬間に「彼が演じれば、この自分勝手なキャラクターが温かみのある、観客に好感を持ってもらうような人物になる」と感じ、「交渉して無理矢理時間を作ってもらったんだ(笑)」とラブコールの末の出演だったことを明かした。そんな熱烈オファーを受けた加瀬が会見時に「自分の役はゴンドリー監督自身を投影していると思う」と語っていたことを告げると「僕は自分勝手な人間ではないけどね(笑)。でも自分で脚本を書いたキャラクターは大なり小なり絶対に分身だよ」と役柄と自分自身には共通している面があることを認めた。
ゴンドリー監督はジャック・ブラック主演によるコメディー映画『僕らのミライへ逆回転』の日本公開も控えている。今後も今まで以上にボーダーレスに活動し、独特な“ゴンドリー・ワールド”をスクリーンで展開し続けてくれるだろう。
『TOKYO!』の一編「インテリア・デザイン」は、かけ出しの映画監督の恋人と上京して、さまざまな経験を重ねるヒロインの心の旅路をファンタジックに描くハートフルドラマ。
映画『TOKYO!』は8月16日よりシネマライズ、シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開