村上春樹「ノルウェイの森」が映画化決定!なんと出版から21年で初めて!
国内の発行総累計部数が870万部で36言語に翻訳されている、村上春樹の大ベストセラー「ノルウェイの森」が映画化されることが明らかになった。
小説「ノルウェイの森」は1987年に刊行され空前の大ヒットとなった。英語を始めフランス語など世界36言語に翻訳されている日本が誇る世界的ベストセラーだ。昨今あらゆるベストセラー小説が映画化されているが、意外にもこの世界的ベストセラーは今まで映画化されていなかった。
そんな中、映画『シクロ』『夏至』を手掛けるフランス人監督トラン・アン・ユンがパリで本作のフランス語版を読み、日本での映画化を思い立ち、自身の作品である『夏至』を配給した日本の配給会社(アスミック・エース)に相談を持ちかけたことが映画化への第一歩となった。
しかし、村上にとっても「ノルウェイの森」は特別な作品であるため、手放しで映画化にOKが出たわけではなかった。幸いなことに、村上はトラン監督の作品が好きだったということから話し合いの場が持たれ、映画化が実現に動き出した。そして、原作ファンであるフジテレビジョンの亀山千広もこの企画に加わり映画化が実現するに至った。
物語は1987年に18年前を回想する“僕”を軸に描かれる。18年前に学生だった“僕”が自殺した友人の恋人との出来事を通して、喪失感や、青春の日々に感じる大人になる過程で世の中のさまざまなものへ感じる葛藤(かっとう)や渇望などが繊細(せんさい)に描かれていく。
トラン監督は原作について「力強く繊細(せんさい)であり、激しさと優雅さが混沌(こんとん)としていて、官能的かつ詩情にあふれています」と語り、映画化については「映画化されるための幅広い題材を内包している作品」と意欲を語っている。キャストについては未定だがトラン監督が「日本で、日本人俳優で撮りたい」と希望していることから日本人キャストが起用されることになるだろう。そのキャスティングも楽しみだ。
撮影は2009年2月から始まり、2010年に全国公開を予定している。