次は監督業に進出?挑戦し続ける男、ガイ・ピアースに直撃インタビュー!
映画『L.A.コンフィデンシャル』『メメント』で知られるオーストラリア人俳優ガイ・ピアースが、新作映画『トライター』(原題)について語ってくれた。本作は元アメリカの特殊工作員をしていたサミール・ホーン(ドン・チードル)が、テロリストとつながっていることをFBIのエージェントであるロイ・クレイトン(ガイ)が突き止め、世界を股にかけて起こる爆弾事件に迫っていくサスペンス・スリラー。
‐今までにさまざまな役にチャレンジしてきましたが、意図的に挑戦的な役柄を選んでいるのでしょうか?
(ガイ・ピアース)キャラクターが深く描かれている良質な脚本に魅力を感じるんだ。あえて挑戦的な役を探し求めているわけじゃないんだよ。自分が演じたいか演じたくないか、ただそれだけさ。それに一般的な職業というものに魅力を感じている部分もあるかな。脚本がありきたりなものであったとしても、自分とキャラクターに接点を感じたら参加するときもあるけどね(笑)。
‐アメリカ大統領選挙間近に、テロリストを扱った映画を製作するということに危惧(きぐ)はありませんでしたか?
(ガイ・ピアース)どんな映画だって、その内容のどこかを誰かしらが非難することはごく普通のことだよね。だから僕はそういった実体のないものに対して、変な不安を抱かないようにしながら仕事を選んでいるんだ。個人的には考えさせられるような作品にかかわっていきたいと思っているんだけれど、それは人々の持っている安堵(あんど)感を崩すことになる危険性もあるよね。でも考えるということは必要なことじゃないかな。
‐監督になりたいと思いませんか?
(ガイ・ピアース)もちろん! 興味はあるよ。オーストラリアの友人と一緒に短編を撮ったこともあるし。でも実現は難しいだろうね。何年もかけて製作費を捻出(ねんしゅつ)したり、スタッフを一つにまとめたり……。そんな力は僕にはないからね。ただし、俳優に指示を出したり、撮影現場をいい環境にするという点で僕は向いていると思うな。それだけが監督の仕事ではないけどね(笑)。
レディオヘッドのTシャツを着てインタビューに臨んでくれたガイからは、気さくな雰囲気が漂っていた。次回作はアダム・サンドラー共演のコメディー作品とのこと。新たなガイの挑戦に期待したい。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)