『ハムレット2』はハムレットの続編をミュージカルで試みる無謀な映画?
映画『マリー・アントワネット』や『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』などで知られるイギリス人俳優スティーヴ・クーガンが、主役を務めた新作映画『ハムレット2』(原題)について語ってくれた。本作は、売れない俳優と烙印(らくいん)を押された男(スティーヴ)が、高校教師となってハムレットの続編をミュージカルで試みる無謀なアイデアで起死回生を試みるというコメディー。
‐イギリスでのミュージカル経験はありますか?
(スティーヴ・クーガン)イギリスでやっているコメディー番組の中で、わたしは何曲も歌ったりしてるよ! いろいろなキャラクターを演じたりしてね。ブロードウェイ進出を狙っているわけじゃないけど(笑)。
‐イギリスのユーモアとアメリカのユーモアの違いは何ですか?
(スティーヴ・クーガン)アメリカ人は映画のスクリーンでブサイクな人を見るのは好きじゃないと思うんだが、イギリスの連中は、ブサイクだろうとお構いなしなんだ。その役者よりも自分の方がまだマシだと安心できるからね。それにアメリカはカッコいい俳優を見て、それに自分を近づけようとするだろ? 体を鍛えたり、整形したり、注射まで打ったりする。イギリスはそうじゃないな。テレビ番組をとってもテレビドラマ「フレンズ」「となりのサインフェルド」「ラリーのミッドライフ・クライシス」などなど、キャラクターに欠点はあるけれど、人生的には成功している人物として描かれるよね。イギリスの場合は、すべてのことが不幸につながってたりするんだ。でもそれは人の不幸を笑うという傾向があるってことだよね(笑)。
‐最近では、いったん映画化したものを舞台化しようという流れがありますが、これまでの映画作品の中で、舞台化してほしい映画はありますか?
(スティーヴ・クーガン)そうだなぁ……。でも舞台化してほしいと思っている作品のほとんどが舞台化しづらい題材だと思う。一番はジョージ・クルーニーの映画『フィクサー』かな? アイデアとしては面白いけど舞台化となると難しいね。クルーニーが演じたマイケル・クレイトンをミュージカルで演じてみたら面白いと思うけど(笑)。
近年、アメリカ映画に頻繁に出演するようになったスティーヴは、普段も陽気でサービス精神の旺盛な面白い人物だった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)