14歳のダコタ・ファニングが暴行されるシーンがネットに流出し大論争に!当事者の女性監督を直撃!
ダコタ・ファニングのレイプシーンがネット上に出回り、完成前から非難を浴び、関係者が死の脅迫まで受けた映画『ハウンドドック』(原題)の女性監督デボラ・カンプマイヤーに話を聞いた。
本作はアメリカの南部を舞台に、長い間虐待の苦しみを受けていた少女(ダコタ)が、エルヴィス・プレスリーの曲や、とある女性との出会いを通して悲惨な過去を乗り越えていくという物語。
‐ダコタのレイプシーンの波紋についてどうお考えですか?
(デボラ・カンプマイヤー)撮影直後、ネット上に流れて論争が始まり、どんどん大きくなっていったわ。中にはわたしを児童ポルノを製作したとして逮捕しろだとか、出演させたダコタの母親を逮捕しろなどのひぼう中傷を受けたわ。それにダコタ自身もこの映画にかかわったことで屈辱的な扱いを受けてもいたの。
‐製作の意図とは?
わたしはセンセーショナルだからという興味本位で作ったわけじゃないの。わたしは、この世の中で虐待を受けている人たちを浮き彫りにしたかっただけなの。結果的にはこの論争で本作に注目が集まったから、ある意味人に気付いてほしいことが語られるようになった部分もあるから感謝しているけど。批判的な人々には同情しているの。こういった虐待については、なかなか触れ難い問題だし、それを押し隠そうとする気持ちも理解できるからね。
‐脚本もご自身が執筆していますが、どれくらい自伝的要素が含まれているのでしょう?
(デボラ・カンプマイヤー)どの部分にも自伝的要素のある、いわば個人的な作品ともいえるわね。フィクションとノンフィクションを自由に行き来している作品だとわたしは感じているの。
論争の的となった問題のレイプシーンだが、実はまったくヌードがない。デボラ監督は詳しく話すことをためらっているようだったが、話によるとサンダンス映画祭での公開後、編集でレイプシーンの50パーセントを変更したということだ。公開中の本作の評判は思わしくなく、高い評価を受ける作品とはいかないようだ。
今回のインタビューを通して痛感したことは、一つの記事が世界中に影響力を及ぼす可能性があるということ。これは大げさな言い回しかもしれないが、報道としての責任や重要性を再確認させる取材となった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)