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80年代のセックスシンボル、猫パンチ!ミッキー・ロークにスタンディングオベーション

第65回ヴェネチア国際映画祭

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ちょとコワい人に見えるミッキー・ローク
ちょとコワい人に見えるミッキー・ローク - 写真:中山治美

 第65回ヴェネチア国際映画祭にて、米俳優ミッキー・ローク主演『レスラー』(ダーレン・アロノフスキー監督)の公式会見が現地時間5日、行われた。51歳の肉体にムチ打ってプロレスラーを熱演したロークが会見場に入ってくるや、記者たちはスタンディングオベーションで迎えた。

 同作品は、落ちぶれた元人気レスラーが老いに貧困、心臓発作の病と闘いながらリングにこだわり続ける壮絶な生き様を描いたもの。ロークがボクサー時代に来日試合で披露した、あの“猫パンチ”がウソだったかのような、リアルファイトを見せている。

 ロークは「オレはレスリング・ファンというワケじゃなかったんだ。レスリングはかなりエンターテインメント化され、試合運びも決まっているだろ。それにオレのバックボーンはほか(ボクシング)にあるし、あまりリスペクトしてなかったね。ところがダーレンに2か月間、レスリング・スクールに通わされて、ケツが割れるくらいの衝撃を受けたよ。だって、あの巨漢たちを投げ飛ばすんだぞ。ほかにも、かつて活躍したレスラーをいろいろリサーチしたんだけど、レスリングを知れば知るほどリスペクトするようになったね」と語り、すっかりレスリングの虜(とりこ)になったようだ。

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 ロークと言えば、80年代はセックスシンボルとして人気を博していたが、その後、人気は下降気味。映画『シン・シティ』シリーズで再び脚光を浴びたが、体重増量に整形手術失敗疑惑、07年11月にはスクーター運転中に飲酒運転で逮捕されるなど、スターの凋落ぶりがしばしゴシップ誌のネタとなる。

 まるでロークの人生を彷彿(ほうふつ)とさせる元人気レスラー・ラム役について、会見でも「ラムの深い孤独をどのように受け止めて演じたのか?」と質問が出たが、「深い孤独ね。そこはオレ、問題ないから(笑)」と自虐的に答えて会場内は爆笑に包まれた。

 さらに、離れて暮らす娘役を演じたエヴァン・レイチェル・ウッドの印象を聞かれると、「20歳そこそこでこれだけ感情表現の難しい役を演じられる人はそうはいないよ。このビッチは、本当にデキる」とロークらしい表現で褒めたたえ、ビッチ呼ばわりされたウッドは複雑な表情を浮かべていた。(取材・文:中山治美)

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