スピルバーグのドリームワークス、1000億近い資金調達でパラマウントから独立!
今年初めに発表されてから業界内の大きな話題となっていた、スティーヴン・スピルバーグ率いるドリームワークス社の独立計画だが9月19日、ドリームワークスとリライアンス社の契約がめでたく成立した。
インドの大都市ムンバイが拠点である大映画会社・リライアンス社(正式名・リライアンス・ビッグ・エンターテイメント)との提携契約の話が持ち上がると、関係者たちは、まるで生まれてくる赤ん坊を待つかのような心境でその過程を見守り続けてきた。だがそんな苦悩も今週末に無事終了したことになる。
もともと独立映画会社としてスタートを切ったドリームワークスだが経営困難に陥り、2006年2月にパラマウント・ピクチャーズの傘下に入った。だがその後、映画『シュレック』シリーズや映画『トランスフォーマー』などの大ヒットを飛ばし、ネームバリューが再浮上。天才スピルバーグとしては、自分の上に親会社がいるという状況が頭痛のタネになりつつあった。
だが幸い2008年はパラマウント社との早期契約解除が認められている年。スピルバーグ陣営は早速、初春より独立作戦を開始し、今回の契約成立と相成ったわけである。
はっきりした数字は契約を取り交わしたドリームワークスのお偉方のみぞ知るところだが、業界筋ならびに関係者に近い人々の話を総合すると、まず、リライアンス社からの約5億ドルプラス(推定金額)の出資、そして米国大手ブローカーであるJPモーガンからの5億~7億ドル範囲の融資、合わせて計10億ドル以上という国家予算のような資金調達に成功したドリームワークスは、これで正式にパラマウント・ピクチャーズからの離脱が決定する。前途揚々の者には至って気前の良いハリウッドだが、パラマウント社もこの例に漏れず、スピルバーグ陣営に対し驚くほどの太っ腹度を示し、「お抱えの社員たちはすべて連れて行ってもらって構わない」という異例の通達をして関係者たちを喜ばせた。
とりあえずは一件落着のドリームワークス。これから独立映画会社としての新しい活躍が期待される。