アメリカ男性の結婚観を分析!相手の問題じゃなくて誰でもいい!?
自分らしい愛の形を求めてさまよう、30代の独身女性を描いた処女監督作映画『ブロークン・イングリッシュ』を完成させたゾーイ・カサヴェテス監督に話を聞いた。伝説的な映画監督ジョン・カサヴェテスと女優ジーナ・ローランズの間に生まれ、ソフィア・コッポラを親友に持つ彼女は、ロサンゼルスで青春時代を過ごし、ニューヨークで映画の脚本を執筆。今はフランス人の夫とパリに住む生粋のシティー・ガールだ。映画『セックス・アンド・ザ・シティ』を地でいくようなカラフルな人生を歩む彼女が、赤裸々な恋愛観を語ってくれた。
ニューヨークに住む主人公ノラは、一見華やかでも実は空虚な自身の恋愛生活に絶望。そんなとき、一風変わったフランス青年ジュリアンが、彼女の前に現れて……というラブストーリーが、やや辛口なインディーズ・タッチで描かれるが、この物語は結果的にかなり自伝的なものとなった。「脚本を書いた後に、わたし自身がフランス人でミュージシャンの男性と出会い、結婚したの。超常現象みたいよね?」と親しみやすい笑顔で、偶然の一致を告白した。
さらに彼女だから語れる、アメリカとフランスの男性の違いも分析。「アメリカの男性は、感情的にならず、家族を養い、社会的に成功するようにと育てられるの。対して、ヨーロッパの男性は、繊細(せんさい)で感受性が強くてもいいように育てられる。四六時中、泣いたりするわけじゃなければ、繊細(せんさい)なことは別に悪いことじゃないわけ。それがわたしには良かったのね。わたし自身も人生に対してとても傷つきやすいタイプだから」と自らの恋愛を冷静かつサバサバと振り返った。
「アメリカ人の男性と10年間付き合って、別れるとするでしょ? するとね、その2か月後に彼はまったく別の女性と結婚したりするのよ。別れた方からすれば『何があったわけ!?』って感じなんだけど、彼らはある日突然『よし、結婚するか』と決断するわけ。相手の問題じゃない。正直、誰でもいいのよ。ひどい話だけど、そういうものなのよね」とアメリカ男性の結婚観についても、ユニークな持論を展開。映画には、そんなリアルな女性目線がたっぷりと反映されている。
インディーズ映画の父ともいわれる偉大な父親、故・ジョン・カサヴェテス監督について聞くと「父のしたすべて仕事とわたしのデビュー作を観て、比較するのは難しいと思うわ。わたしはやっと自分の伝えたいことを探し始めたばかり。これから少しずつ成長していきたい」と恋愛論からは一転、謙虚な新人監督の表情を見せた。
映画『ブロークン・イングリッシュ』は12月13日より恵比寿ガーデンシネマ、銀座テアトルシネマほかにて全国公開