ボンド・シリーズ最高興行収入!今週の1位は『007/慰めの報酬』!-11月16日版
全米ボックスオフィス考
すさまじいまでのバイオレンスとアクションで賛否両論が飛びかう第22作目ジェームズ・ボンド・シリーズ『007/慰めの報酬』が先週末の全米ボックスオフィスの売り上げ7040万ドルという巨額だっただけでなく、歴代のボンド・シリーズにおいて、2002年の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』を抜き、オープニング売り上げの第1位に躍り出た。同映画の撮影中にボンド役のダニエル・クレイグは腕の筋を痛め、いまだにギブス生活を強いられているが、このニュースを聞いたら多少は報われた気持ちになるかもしれない。
ヨーロッパ諸国ではすでに公開中の『007/慰めの報酬』は、現時点で世界総売上げ2億5200万ドルを記録しており、その勢いはとどまるところを知らず、配給・製作に当たっているソニー・ピクチャーズとMGMはホクホクである。
『マダガスカル2』は、007にトップの座を譲ったものの依然として3610万ドルの収入で堂々の2位。封切日から数え、10日間合計で1億1800万ドルの収入を上げて快調に興行成績を伸ばしており、ドリームワークス・アニメーションにとっては『シュレック』シリーズに継ぐ、頼もしいシリーズになりつつある。
『マダガスカル』シリーズで主人公のライオンやキリンたちの人気をしのぐほどポピュラーなキャラクターである切れ者のペンギンたちが、なんと来年3月からニッケルオデオンという米国アニメ・チャンネルでレギュラー番組デビューを飾る。カラフルでユニークなキャラクターが満載の『マダガスカル』シリーズは、これからもさまざまな派生番組、映画を生み出すドリームワークス・アニメの稼ぎ頭になるかもしれない。
今週末の3位に収まったのは、先週から39%収入減のコメディー映画『ロール・モデルズ』で1170万ドル。そして4位は、今週もまだまだ頑張ってる『ハイスクール・ミュージカル3』。
そして5位は先週に引き続きトップ5入り『チェンジリング』。この映画は、クリント・イーストウッド久々の監督作品であることと、主演のアンジェリーナ・ジョリーがアカデミー賞ものの熱演をしているというのが売りとなって、オスカーシーズンたけなわの向こう数か月間、派手さはないものの息の長さが予想される。
さて、来週は現在全米のティーンエイジャーたちが熱に浮かされたように夢中になって前評判爆発中の映画『トワイライト』が公開される。大人気のティーン小説シリーズを映画化したこの作品は超美形ヴァンパイアの青年と、はみだしっ子の女子高生の出会いとロマンス、そして敵バンパイアたちとの抗争が描かれたストーリー。
主人公演じる男優のサイン会では女の子の失神者が続出し、映画の前売り券は飛ぶように売れ……と今から公開の週末に何が起こるか非常に楽しみである。(取材・文:神津明美 / Addie・Akemi・Kohzu)