西部劇映画がひそかなブーム?ファッションから生き方までトレンドに
往年の映画史を彩り、数多くのヒット作を生み出した西部劇映画が、今再び注目を集めている。
その一つは、ファッション。今やハットやレザージャケット、ブーツといったウエスタン調アイテムは、ファッションに欠かせないが、なかなかのおしゃれ上級者でないと着こなせないのは事実。大スター、ジョン・ウェインが映画『赤い河』でちょっと斜めにかぶったカウボーイハットとバンダナはその後、西部劇ファッションとして定着したといってもいい。
女性のファッションとしては、1958年製作の超大作映画『大いなる西部』でのジーン・シモンズの小ぶりなハットにウエスタンシャツ、そしてデニムにブーツを合わせるバランスの取れた着こなしは、かわいらしさと同時に男にこびない女性像を演出している。そのファッションは現代でもアレンジされてファッションスタイルの一つになっている。
1969年製作のジョン・ウェイン主演の映画『勇気ある追跡』では、伝統的なフォークロア調の衣装がスマートに着こなされ、現代でもそのままイケるファッションだ。西部劇ファッションは、ハードルは高いが着こなし方さえ間違えなければ、確実におしゃれ上級者になれること間違いなしといえる。
またもう一つ、西部劇の人気を支えるのは、現代人が見ると暑苦しいくらいの男同士の熱き戦い。しかし、ここに男のプライドの原点がある。傑作映画『OK牧場の決斗』のクライマックスは今も伝説として語り継がれる。末弟を殺された保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)が自分の兄弟たち、そして肺病を患うばくち師ドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)とともに、宿敵クラントン一味が待つOK牧場で壮絶な撃ち合いを繰り広げる。卓越したガンさばきはもちろん、身をていして仲間を守る勇気を武器に、敵を追い詰めていくワイアットのカッコ良さに思わず男ぼれするに違いない。
また西部劇の定番であり、ガンマンたちによる撃ち合いが壮絶な『大いなる西部』も傑作だ。東部出身の紳士である主人公(グレゴリー・ペック)と生粋のカウボーイ(チャールトン・ヘストン)が男の意地を賭けて繰り広げるガチンコの殴り合いだ。それまで反目し続けたニ人が、全力でこぶしをぶつけ合いながら、最後には互いの強さと男気を認め合う姿に、現代男子が忘れかけた骨太なカッコ良さがある。
映画『大いなる西部』はWOWOWにて12月10日午前8:00より放送