金城武が怪人二十面相!? 壮大なスケールの娯楽作を作り上げた佐藤嗣麻子監督を直撃!
金城武を主演に迎えて、映画『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』を完成させた佐藤嗣麻子監督。日本人にはおなじみのこのキャラクターを新しい角度から掘り下げて、壮大なスケールのアクション大作に仕上げた佐藤監督に話を聞いた。
映画『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』写真ギャラリー
世間をにぎわす大怪盗怪人二十面相に仕立てあげられてしまうサーカス団員という、一風変わった役どころの金城。得意の華麗なアクションに加え、コミカルな演技を存分に披露している。「金城君はギャグをいっぱい入れたがる人で、すぐお笑いのシーンにしてしまう(笑)。でも、いいアイデアはそのまま使いましたけど」と劇中には金城本人のアドリブがたくさん入っていることを明かした。そんな金城と大冒険を繰り広げるヒロインの松たか子も、見事なコメディエンヌぶりを発揮している。現場での松は「泣き言を一切言わず、集中するときと、そうでないときをきちんとコントロールしている。しかも努力してそうやっているのではなく、自然に身に付いているのがすごいと思った」そうで、女優としてのプロフェッショナルぶりに感心した様子だった。
物語の舞台は、1949年の架空都市“帝都”。第二次世界大戦が起こらなかった日本という設定のため、19世紀から続く華族制度で極端な格差社会となっている。金城演じる平吉はそんな社会の下層階級に属しているが「どんな不幸な状況に置かれても、嘆いたり、誰かを恨んだりしない。常に考え方を変えて、前向きに生きていこうとするキャラクター。それが、今の社会に一番必要なことなんじゃないかと思って」と平吉の生き様を通して、考え方次第でどんな状況でも、幸せに生きていける人間のあるべき姿を観客に感じとってもらいたいと語った。
とはいえ、本作はそういったメッセージ抜きにしても、子どもから大人まで純粋に楽しめる超娯楽作だ。「最近は『これテレビで観てもいいじゃん!』っていう映画が多いと思うんですけど、スケールの大きいこの作品は、映像と音をぜひ映画館で体感してほしい!」とアピールする佐藤監督。その言葉通り、生身のアクションや迫力のVFX映像、二転三転するストーリー展開が詰め込まれた本作は、スクリーンで観ないともったいない映画といえるだろう。
『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』は、推理作家の巨匠・江戸川乱歩が生み出したキャラクター・怪人二十面相を独自の新たな解釈でとらえた小説「完全版 怪人二十面相・伝」(北村想著)が原作の冒険活劇。怪人二十面相に仕立て上げられてしまった、サーカス曲芸師の男の数奇な運命を描く。
映画『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』は12月20日より全国東宝系にて全国公開